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???「話をきいていたが……」雨花・兎白「!」
現れたのは……
瑠璃人「雨花!兎白さん!!」
瑠璃人の前には、驚きの光景が広がっていた。
その光景は、
瑠璃人「ちょっと二人ともこれどういう状況なんだよ?」
目の前には、ぬらりひょんの妖怪……つまり妖怪の長とその部下たち、それから先程の町長が並んでいた。
兎白「俺もよく分からないんだ。この雪女の町長と話していたら急に現れて……」
「お前さんたちは今まで町長たちを倒して来たのだろう?その内の一人は、そこにいるお嬢さんが単独で倒したときいているがそれは本当か?」
雨花「…………まぁそうですね」
「そうか……わしらは…………神に……人間に……負けたのか……」
「ならば、」
兎白・瑠璃人「!」
雨花「…………」
さらに驚くことに、ぬらりひょんたちは土下座したのだ。
「お前さんたちの意志はよく分かった。わしらのしていたことは協定違反。そして、勝手にここを『無法地帯』と名付け、ずっと利用し、沢山の人々を苦しめていた。許されることじゃない。本当に申し訳なかった。」
兎白・瑠璃人「…………」
雨花「あの……」
すると、雨花が声をあげた。
「何だ?」
雨花「あなたたちの意志もわたしたちは尊重したいんです。どうか勝ちとか負けとかで遠慮して自分たちの意志を間違ってるだとか我慢しなくちゃいけないだとかそういう風に想わないで下さい。わたしたちもあなたたちもどっちも納得できるそんなルールを決めるべきだと想います。だから、あなたたちだけが我慢するような考え方はして欲しくないです。長い時間はかかるかもしれない。あなたたちが持っているように、わたしたちにも妖怪に対する偏見がある。でも、時間はかかってもわたしたちは考え続ける義務がある。わたしたちが傷つけてきたことを決して無駄にしないように。自分の大切なものを守るために。話し合いでどうにかなるなんて楽観的な思考はわたしは大嫌いです。でも、周りの言葉を聴いて、少しずつ態度で示していけば良い。自分たちはちゃんと支え合っていける生き物なのだと。」
「……お前さん自身は妖怪をどう想ってる?」
雨花「わたしたちと似てるのに、わたしたちより不器用なかなりめんどくさい生き物ですけど、ほっとけない生き物だとも想います。」
「そうか……」
兎白「雨花……」
やっぱり俺は今お前が言ったことの方が本音のような気がする
お前は橙たちに……
《……実験材料っていう言い方が良くなかった?妖怪は神や人間のことを格下だって思ってる者も多い。自分たちの生き方を間違ってるとは想ってない。だからね……》《つい、ぐしゃぐしゃにしたくなる》《自分たちの生き方を貫いた先に、絶望を置いてやって息もつけなくさせてみたい。》
と言っていたが、やっぱり
お前は、お前は、否定するだろうが
やっぱりお前は「あの頃」とは違う
やっぱり優しいやつだよ
俺はそう想う
兎白は少し微笑む。
「では、話を変えよう。お前さんたちはわしらたちとお前さんたちどちらも納得できる協定を結びたいんだろう?そちらのお嬢さんが言ったように長い時間をかけてでもわしらは考え続けなければならない。わしらがしてきたことを無駄にしないために。そのためには……」
妖怪の長が出したのは……
兎白「それは……!!」
真っ白に輝いているのは、契約書だった。
「これは、」
「「天使たちとの契約書だ」」
瑠璃人「ま、マジか……」
雨花「…………それをどうするつもりですか?」
「天使たちは自分たちが正しいと信じ込んでいる。だから、わしら妖怪たちが裏切るとは想っていない。実際、わしらは沢山報酬を貰っている。そして、自分のことを正しいと信じ込んでいるから、わしらという「同胞」が天使たちのことを裏切るという「間違い」をするとは思っていない。わしらを完全に支配したと思っているだろうし。だから、わしが署名したこのサインを消せば……っ!」
ぬらりひょんが署名の部分に手を押し当てると、煙のようなものが出てきて、徐々に署名部分がなくなっていく。そして……
兎白「き、消え、た……?」
「……どうやらそのようだ」
瑠璃人「や、」
「「やったぁぁぁぁ!!!!」」
雨花「瑠璃くん?申し訳ないけど、それはぬか喜びだよ」
瑠璃人「え?」
「お前さん気づいておったのか?」
妖怪の長は、とても驚く。
雨花「妖怪側が署名を消しても天使の署名が消えない限り、「契約をした」という事実は消えない。つまり……」
兎白「どの道「堕天」を倒すしかないってことか」
瑠璃人「えぇ……何だよそれ……」
雨花「ぬらりひょんさん。天使について何か知ってること全部教えて下さいませんか?」
「良かろう。しかし、その前に一つしたいことがある。」
雨花「何ですか?それ?」
「お詫びをしなくてはならない。許されるとは想っていないが、町の者たちに謝罪をしたい。わしらを町の者たちのところまで案内してくれないか?不安なら妖術止めを飲んで行く」
妖術止めとは、神通止めが神通力を止めるのと同じように、妖術を止める作用がある薬である。
雨花「大丈夫ですよ。それにもし、あなたたちが何かしたらうちにいる妖術使いの女の子がいるので、その子の炎でやけどすることになりますよ?あはは」
「それはそれは面白いことになりそうだな。ははっ。」
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雨花一行は、町長を倒し、妖怪の長と和解する約束を果たし、妖術の長は町人に謝りに行った。
雨花「どうでしたか?町人の方々の反応は?」
「怒っている者や目すら合わせない者、一言も話さない者、でも……」
雨花「でも?」
「いつかちゃんと町を復興しないと許さないと言った者もいた」
雨花「じゃあ、その時もお付き合いしますよ。ぬらりひょんさん」
妖怪の長は、ふっと笑うと、死神組の車に乗り、刑務所へ向かったのだった。
雨花「…………」
わたしはあの人のことをとやかく言える資格なんてない
わたしだって許されないこと沢山し続けてるんだから
こうして、雨花たちの妖怪たちとの闘いは幕を閉じた。