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「早速だが君たちに来てもらった理由は武器の開発停止期間を遵守していない国が我々の調べで浮かび上がったからだ。」ミルズ艦長のその発言は俺にある国を思い出させる。
「パルパティですか? 噂は昔からありましたが。」
「さすがアカデミー首席卒業生は噂にも強いんだ な。」ミルズ艦長のその感心したような発言に明らかに機嫌を悪くした人間が俺の左正面にいる。
「お褒めいただき光栄です。そして頼むからルドルフ、もう少し平静さを保つ努力をせめて、上官の前ではしてくれないか?」 俺は半ばあきれたように彼をなだめる。俺とルドルフは国立士官学校、通称アカデミーの同級生。俺は飛び級で高校を卒業したので俺の方が年下なのだが、俺の方がいつも成績が良かった。そんなルドルフは艦長の前だからか沈黙を貫く。今にも怒りそうな感じはするけど怒鳴り声を上げないからまだマシな方か。
「パルパティの学術都市、ヘルモスに開発拠点があるということが確定したが場所は不明確なままだ。」
「それを突き止めて、開発プロジェクトを頓挫させる、または最新の武器を確保するのが今回の任務ですね。」俺はそう返す。
「その通りだ、アルフレッド。ミゲルとアルフレッドに作戦の立案を依頼したい。2日で仕上げられるか?」
「ええ、ヘルモスの詳細な資料があれば可能です。」俺はそう返す。このような振る舞いをもって俺を自信家だと述べる人間がいるが、それは正確だとは思う。ただし、それは俺が取り組んで間違いなく成果を出せることに限られるが。俺にもできないことはあるし、苦手なことはある。共感することもその1つで、彼らと俺にはかなりの距離があるのかもしれない。
「アルフレッドと取り掛かります。」右隣にいたミゲルもそう語る。彼もアカデミーの卒業生で3番目に優等な成績だった。つまり、俺とルドルフの次。ルドルフと正反対の平和主義的で落ち着いた気質が彼と俺の高次元な関係を維持させてきたのだろう。単純に寮の部屋が近かったからかもしれないが。
「アルフレッド、もちろん用意してある。君たち2人を頼りにしてるぞ。」俺をこのチームに引き入れた張本人であるミルズ艦長は俺を良く気にかけているように思える。その理由は良く分からない。もっともそれがルドルフを怒らせることになっているのだが。
運命は天が決定するが、準備することで自分の身は守ることができ、手柄は自分の働きにかかっている。上杉謙信(日本のサムライ)
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