オレは自分の部屋でソファに腰かけて天井を眺め る。オレの部屋は整理整頓されているともそうで もないともとれる部屋だ。壁にはいくつかの設計 図や地図が飾ってある。床には書籍や服が散乱。 オレにとっては規則的なんだが、他の人間はそう はみなさないらしい。
「アル、開けてもらえますか?」
「もちろん。」
「何を見ていたんですか?」
「ヘルモスの地質調査記録とヘルモスの地図を見 ていたんだ。何事も立体的な視点でとらえること から全てが始まる、よくアカデミーで聞いただ ろ?」
「で、見つかりました?」
「幸運なことにね。ヘルモス工科大学は2つのキャ ンパスを市内に保有している。自然科学や社会科 学系のゾーン1と応用科学系のゾーン2だ。そして ゾーン2の広大なキャンパスのいくつかには閉鎖さ れたビルがある。そしてそこは地質学的に見ると かなり安定している。地下に拠点を建設するなら ここが一番一目がつかないだろう。」
「機材や人員の搬入はどのように?」
「ヘルモス工科大学は物流用のロボットがゾーン2 全域で導入されている。そしてメインの物流セン ☆ターがあるのは閉鎖されたビルなんだ。人員についてはおそらくこれだ。」
「学生や教職員向けのシャトルバスルート?」
「オンデマンドバスと路線バスの併用ではある が、物流センター周辺がバスターミナルとしても 利用されている。それにしても考えたものだ。一番学生、教職員、貨物が行き来する拠点を秘密の 研究センターとして利用するとは。でも拠点が1つということはないはず。だから今ヘルモス工科大学へ搬入された貨物の発送元と発送された住所を 照合しているんだ。おっと見つかった。研究用の 資材名目で元政府高官から大量に発送されてい る、これは国際貨物? 発送元は地球?かなり厄介なことに足を踏み込んでいるような気がする。自分は連邦政府に緊急の連絡を入れてくる。」
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