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8 - おまけ:昼と夜のあいだで

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2025年08月15日

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おまけ:昼と夜のあいだで


昼と夜は、決して交わらない。

それが、私たち――ソラスとルナの約束だった。


私は昼を歩く。

太陽の下で、波の音とカモメの声を聞きながら、少年を探す。

彼の名は知らない。けれど、胸の奥に預けられた“響き”が、確かにそこにあった。

その響きが完全になる日まで、私は彼を導かなければならない。





私は夜を歩く。

月の光に照らされた森や街を抜け、少女を探す。

彼女の名は知らない。けれど、首元に揺れる鍵が教えてくれる――この旅は、終わりではなく始まりだと。

彼女が笑う顔を見たい。記憶の奥にある、その笑顔を。





私たちは決して同じ道を歩かない。

昼が沈み、夜が昇るとき、相手の足跡を追いかけるだけだ。

時には、互いの足跡がすぐそばに寄り添うこともある。けれど、それでも会わない。

会えるのは、すべてが揃った時だけだから。





そしてその日が来た。

扉の丘、朝と夜の境界で、私たちは向かい合った。

互いの首に掛けられた半分の鍵が、静かに震える。

昼と夜が溶け合い、二つの光が一つになる。

それは私たちが生まれた理由であり、最後の役目だった。


少年と少女が互いの名前を呼び、涙を流す姿を見届けて、私たちは静かに目を閉じた。

役目は終わった。けれど、またいつか――新しい二人が現れるなら、私たちは再び歩き出すだろう。





昼と夜は、決して交わらない。

けれど、この瞬間だけは――同じ空を見上げていた。

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