❤️「阿部…いく…いく」
退屈な前戯と、砂のような感触のキスの後で、腰を振っている涼太の滑稽な顔を見るのも飽きてきた。最近は甘えてみせる気力も失せて、涼太が寂しそうにしているのもよく見る。
でも万一よりが戻ったりするといけないから、ちゃんと優しくはしてあげる。 つかず離れず、俺から目を逸らさせないように。
💚「舘さん、来週なんだけど」
❤️「ん?」
濡れた髪を拭きながら、涼太が振り返る。
逞しい背中は好みじゃないけど、嫌いじゃない。俺が「彼女」に収まったとたん、犬みたいに尽くしてくれるのもいい気分だ。
💚「俺、あんまり会えないかもしれない」
❤️「え、寂しい」
💚「はは。素直」
本当に笑みが零れる。好かれるのはいい気分だ。この相手が翔太なら天にも昇るような心地だろう。あ、でも翔太は恥ずかしがり屋だから言わないか。
💚「連絡するから、浮気しないでよ…翔太とか」
上目遣いで見上げると、頭上から涼太の熱いキスが降って来た。
❤️「するわけないじゃん」
心の中で、するじゃんお前、と思って笑ってしまった。涼太は俺には今のところ100パーセント従順で優しいから問題ないだろう。
俺は来週に全てを賭けることにした。
コメント
1件