この作品はいかがでしたか?
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※ この物語は、選択肢によって展開が変ります。
※ これはこの物語の始まりの部分です。まずここを読んで、最後の選択肢を選んでください。
私は田舎の村に住んでいる女子小学生だ。この村にはなーんにもない。せっかく夏休みになっても、なーんにもすることがない。あ~あ、もっと町に住みたかったなぁ。
そんなことを思いながら過ごしていたら、友達の美香ちゃんが私を遊びに誘ってくれた。
「ねぇ! 肝試しに、山の神社に行ってみない?」
「えっ、でもあそこは近づくなって……」
「いいから行こうよ!」
そう言って美香ちゃんは強引に私の手を引っ張った。私は渋々ついて行くことにした。美香ちゃんとは幼稚園からの付き合いで、とても仲が良い。いつも一緒に遊んでいるのだけれど、最近どうも強引な気がする。まあいいけどね……。
ここは小さな村なのに、なぜか神社は2つある。もっとも古い方の神社はボロボロで、人は近づかないから、新しい神社を建てたのかもしれない。美香ちゃんが行こうっていったのは古い方の神社だ。この村の真ん中には川が北から西に「L字」に流れているんだけど、その橋を渡った向こう側、橋から見て東北の方、山の中を少し入ったところにその神社はある。
古くてボロボロになった鳥居があるだけの小さな神社だった。私たちはその鳥居の前に立った。すると突然、美香ちゃんが口を開いた。
「ねぇ、知ってる? この神社の噂」
「ううん、知らない。どんな噂?」
私が聞き返すと、美香ちゃんはニヤリとして言った。
「なんでも神社の建物の中に御神体の石があって、それを触ると呪われるらしいよ」
「ふーん……そうなんだ」
正直あまり興味がなかった。だってそんなことありえないもん。呪いなんてあるわけないし。美香ちゃんはこういう話が好きなんだよなぁ。
美香ちゃんは続ける。
「それでね、触っちゃった人がいてさ、一日くらいして死んじゃったって話だよ」
「へぇ……ほんとかな?」
私は半信半疑で答えた。でも内心ちょっと怖かった。
「疑うんなら確かめようよ!」
「そうだね……」
呪いなんか信じてないけど、もし本当だとしたら怖いかも……。そんなことを考えていたら、美香ちゃんが神社の中に入って行ってしまった。仕方なく私もついていく。
建物の中は暗くて埃っぽかった。壁や天井が崩れていて、そこかしこに大きな穴が開いている。床板もほとんど剥がれているようだ。私たちが入った入り口以外に入口はないみたい。
「暗いねー」
「ねえ、やめようよ……」
美香ちゃんは聞こえなかったように奥へと進んで行った。しばらく歩くと広い部屋に出た。部屋の中央には台座のようなものがあり、その上に丸い石があった。あれが御神体だろうか。美香ちゃんはその石を覗き込むようにして見ている。
「ほら見て! これじゃない?」
「あっ! ほんとだ! 触らない方がいいと思うよ……」
私がそう言うと、美香ちゃんは無造作に手を伸ばし、その石を掴んでしまった。
「あっ! ダメだよ!!」
遅かった……。しかも美香ちゃんはその石を私の方に投げてきた。
「えっ!?」
私は思わずその石を掴んでしまった。その瞬間、ものすごい恐怖感に襲われた。身体中に鳥肌が立ち、背筋が凍るような感じだ。心臓が激しく鼓動している。
「あはは! やったね! これで呪い確定じゃん!」
美香ちゃんが笑っている。
「えっ? どういうこと?」
私が混乱していると、美香ちゃんは、
「本当を言うとね、わたし呪いなんて信じてないんだよね~。でも、あんたが平気なふりしても内心怖がっているのがまるわかりだから、ついからかいたくなってさ」
といった。
「もう! ひどいよぉ……」
私は怒っていたけれど、同時にホッとしていた。よかった……ただのおどかされただけだったのか。安心したせいか急に疲れてきちゃった。早く帰ろう。
「じゃあそろそろ帰ろう」
「うん」
こうして私達は戻ってきた。美香ちゃんと別れて家に帰る。すると、お母さんが、
「ねえ、今日古い神社の方に歩いて行く女の子を見たって近所のおばあさんが言ってたの。そのお婆さんは目が悪いから誰かまでは分らなかったそうだけど、あんたじゃないわよね?」
※選択肢
1.正直に言う。→ 読者参加物語 選択肢編 1.正直に言う へ
2.嘘をついてごまかす。→ 読者参加物語 選択肢編 2.嘘をついてごまかす へ
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