テラーノベル
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尊さんが咥え込み、舌で刺激してくる。
身体が仰け反り、腰がガクガク震えた。
「ま、待って…もっ…や、やだっ…たけるさんっ、ダメっ…出るっ…出ちゃうっ…!」
尊さんは吸い上げるように口を動かし、その熱い舌が俺の先端を優しく
しかし確かな力で包み込む。
その瞬間、全身の血液が頭に昇り詰めるような
強烈な快感が脳髄を直接揺さぶった。
視界が白く点滅し、思考は完全に麻痺する。
ただただ、この途方もない悦楽に身を任せるしかなく
抗う術も、理性も、全てが吹き飛んだ。
そして、耐えきれないほどの衝動が全身を駆け巡り
俺は尊さんの口の中に熱い精液を射精してしまった。
「んっ…ん…」
尊さんは、俺の熱を帯びた精液を少しも嫌がることなく
むしろ慈しむようにゆっくりと飲み込んだ。
その喉が小さく動くのを見て、俺は一気に現実へと引き戻される。
顔が、耳の先まで熱くなるのがわかった。
「やっ、やだ…ごめんなさい…」
声は震え、か細く、消え入りそうだった。
こんなにも無防備な姿を晒し、そしてそれを全て受け止められたという事実が
俺の羞恥心をこれでもかとばかりに煽り立てる。
「…ごちそうさま」
尊さんは、まるで美味しい食事を終えたかのように、満足げな声でそう呟いた。
そして、俺の太腿にそっと顔を寄せ、優しくキスをする。
その唇の感触が、まだ熱を持った肌にじんわりと広がり
俺はあまりの恥ずかしさに、両手で顔を覆い隠してしまった。
指の隙間から、尊さんの少しだけ緩んだ口元が見えて
それがまた俺の羞恥を増幅させる。
◆◇◆◇
事後───…
「はぁ……っ、はぁ……」
まだ、呼吸が乱れたままだ。
肺が必死に酸素を取り込もうとしているのか、胸が激しく上下する。
全身から熱が放出されているような感覚で、肌は汗ばみ、シーツに張り付く。
頭の中は、まるで嵐が過ぎ去った後のようにぐらぐらと揺れていて
思考の断片がふわふわと漂うばかり。
ぬるくて、熱くて、身体の輪郭が曖昧になったような
不思議な浮遊感に包まれていた。
まるで、雲の上を漂っているみたいだ。
……何も考えられなくなるくらい、ただひたすらに、気持ちよくされてしまった。
視線をずらすと、横にいる尊さんが
少しだけ乱れた漆黒の髪を、すらりとした指でゆっくりとかき上げているところだった。
その仕草は、さっきまで俺を狂わせるほど激しく
そして情熱的だった姿とはまるで別人のようだ。
あんなにも乱れ、汗を光らせていたはずなのに
今はもう、すっかり落ち着いていて、その余裕がずるいとさえ感じた。
「……おい、大丈夫か」
低く、喉の奥で転がるような、少し掠れた声。
その声が耳に届いた瞬間
全身の毛穴が再び開くような感覚に襲われる。
さっきの、あの強烈な快感が、まるで幻のように鮮やかに蘇りそうになる。
恥ずかしい。
思い出すだけで、顔が焼けそうだ。
きっと今、俺の顔は真っ赤になっているに違いない。
「……ん、だいじょうぶ……です」
声が掠れて、うまく出ない。
まるで、喉が張り付いてしまったみたいだ。
乾いた唇をそっと舐め、乱れた息を整えようとするけれど
一度乱れた呼吸はなかなか元に戻ってくれない。
そんな俺の様子を、尊さんは何も言わずにじっと見つめていた。
そして、ゆっくりと手を伸ばし
枕元に置いてあったティッシュケースから、何枚かティッシュを取った。
「あっ、や……っ、自分で、やります……っ」
慌てて制止しようと、伸ばされた尊さんの腕に手を伸ばした。
しかし、尊さんはいつものように落ち着いていて
その深い瞳だけで「いいから」と、有無を言わさない視線を送ってくる。
その視線に、俺はまたしても言い返す言葉を失ってしまう。
なんか……そういうところ、ずるいんだよな。
いつも、俺の意志を簡単にねじ伏せてしまう。
いい意味で。
尊さんの指が、俺の下半身に触れた。
熱を帯びた肌に、ひんやりとしたティッシュの感触が広がる。
拭き取るように優しく動くその指先は
あんなふうにされたばかりの、まだ敏感な場所なのに
まるで壊れ物を扱うみたいに、そっと、丁寧に拭いてくれる。
その細やかな気遣いが、また俺の胸を締め付けた。
「……雪白の、甘かったな」
尊さんの、少しだけ低くなった声が、耳元で囁かれた。
その言葉が、俺の心臓を直接掴んだかのように、大きく揺さぶる。
「やっ……っ、言わないでくださいっ……っ」
思わず、両手で再び顔を隠す。
無理だ。
そんなこと、言葉にされたら、どうやってこの羞恥心に耐えろって言うんだ。
全身の血が沸騰するような感覚で、顔から火が出そうだった。
どこまでも優しくて、俺をからかうようで
でもちゃんと、俺の全てを受け止めてくれる人。
そういうところ、ほんとにずるい。
そのまま、尊さんの大きな手が俺の背中を優しく支え
気づけば俺はベッドの上に横たえられていた。
ふわりと、柔らかい毛布が肩までかけられる。
「ちょっと寝てろ」
命令口調なのに、その声だけはどこまでも優しくて
余計に俺の心がやわらかく溶けていくような気がした。
寝かされると、また身体がふわっと浮いたみたいになって
重力から解放されたような錯覚に陥る。
かと思えば、尊さんが身を翻し
部屋から出て行こうとする気配がした。
その瞬間、無意識のうちに、俺の腕が尊さんの腕にしがみついていた。
離れたくない。この温もりが、この心地よさが、まだ欲しかった。
「尊さん…っ、待って、ぎゅってしたい…」
震える声で、縋るようにそうお願いすると
尊さんは何も言わずに、俺の背中に大きな手を回し、しっかりと抱きしめてくれた。
その腕の力が、俺の身体を包み込み、安心感で満たしていく。
「雪白…喉乾いたろ?冷たいの持ってきてやるから待ってろ。すぐ戻る」
そう言って、尊さんが部屋から出ていった。
残されたのは、尊さんの体温が残るシーツのぬくもりと、嗅ぎ慣れた優しい匂い。
その全てが、俺の胸の奥をじんわりと温めていく。
少しして、ドアが静かに開き、尊さんが戻ってきた。
その手には、小さなグラスが握られている。
透明なグラスの中には、とろっとした琥珀色の液体が揺れていた。
氷も一緒に入っていて、尊さんが歩くたびに
かすかにカラカラと涼やかな音がする。
「これ、イチゴ潰して炭酸水と混ぜて、最後に蜂蜜入れて仕上げたジュースな。お前、甘いの好きだろ」
尊さんの言葉に、俺は目を丸くした。
「俺のために……?」
驚きと信じられない気持ちで、思わずそう尋ねた。
熱がまだ身体に残っていて、喉は確かに渇いているはずなのに
いま一番熱いのは、この胸のあたりだった。
「ああ。ネットで見つけて作ってみた。うまくできたかわからないが…雪白の好みに寄せたつもりだ」
その言葉に、また顔が熱くなる。
俺のために、わざわざ調べて、作ってくれたのだ。
その事実が、たまらなく嬉しくて
同時に、どうしようもなく恥ずかしかった。
「……尊さんって、本当にずるい」
ぽつりと、心の底から漏れた言葉だった。
「どこがだよ」
尊さんは、少しだけ首を傾げながら、そんな風に問いかけてくる。
「そういうとこですよ。優しいところ。いつも俺を甘やかしてくれるところ…そういうところが、ずるいんです」
俺の言葉に、尊さんはふっと口元を緩めた。
「……なんだそれ」
尊さんは笑いながら、コップを俺の手に取らせてくれた。
ひんやりとしたガラスの感触が、熱を持った指先に心地よい。
「ほら。飲めるなら飲めよ」
差し出されたそれを、震える手で受け取る。
一口飲んでみると、口の中に広がるのは
イチゴの優しい甘さと、炭酸の心地よい刺激。
蜂蜜のまろやかさが全体を包み込み、喉をゆっくりと潤していくのがわかった。
「……おいしい……」
思わずこぼれた言葉は、素直な感動そのものだった。
「そりゃよかった」
尊さんが俺の言葉に満足げに、そして優しく微笑む。
その笑顔が、あまりにもきれいで、俺の胸はまたしても高鳴った。
こんなにも満たされているのに
もっと、もっとと、この身体が尊さんのことを覚えてしまうと
もう離れたくないと思ってしまう。
この感情が、止められない。
「尊さん……すきです」
気がつけば、口から溢れていたのは
偽りのない、俺の真っ直ぐな気持ちだった。
「俺もだ」
尊さんの低い声が、まるで共鳴するように俺の耳元で響いた。
そのたった一言だけで、もう頭がくらくらする。
幸福感で、全身が満たされていく。
「もう少し寝とけ」
そう言いながら、尊さんが再び俺を横にして
毛布をかけてくれた。
その手つきは、まるで幼い子供を寝かしつけるように、優しかった。
「尊さん…腕枕、してほしいです」
我儘だとわかっていたけれど、この温もりの中にもう少しだけ身を委ねていたかった。
「わかった」
尊さんはそう言うと、俺の隣に横になり
大きな腕を差し出してくれた。
俺はその腕を枕にして、ゆっくりと目を瞑る。
尊さんの体温と、優しい匂いが、すぐそばにある。
「尊さん……」
まだ、話していたい。
この時間が、終わってほしくなかった。
「今度はどうした」
尊さんの声が、すぐ頭の上から降ってくる。
「抱きついててもいいですか…?」
「ああ…いちいち聞かないでいい」
その言葉に、俺は嬉しくなって
尊さんの胸に顔を埋めるように抱きついた。
尊さんの心臓の音が、トクン、トクンと、規則正しく響いてくる。
「尊さんの匂い…落ち着く……」
「そりゃどうも……」
尊さんの心臓の音と、温かい腕の中に包まれているうちに
俺の瞼はゆっくりと重くなってきた。
意識が、まどろみの中に沈んでいく。
「尊さん…おやすみなさい」
そう言うと、尊さんはふっと小さく笑って
「あぁ、おやすみ」
そう返して、俺の頭を優しく撫でてくれて
その手の温かさが、俺の眠りをさらに深く誘う。
尊さんのぬくもりが心地よくて
気付くと、俺は深い眠りの中に落ちていた。
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