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7 - 靉靆

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20

2025年01月12日

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窓を見ても白く、変わらない景色を眺め続けていた。

今日からはもう自由なんだ、休みだし、親も仕事でいないから…こうして電車に乗って旅をしている。今度は何処へ行こうか、行き先は決めていなかった。

電車の中には誰もいない。他の車両にはお年寄りが数人…幼い子もいるようだった。

しばらく乗っていると、ようやく駅に到着した。

扉が開いても人は来ない。田舎だなぁ…と少し思うが、景色が綺麗だったのでそんなことはあまり思わないことにした。

その駅は…ひつか駅と書かれ、酷く真っ白な駅だった。それに…聞いたことがない駅名だった。

もしかしたら夢なのかもしれない、そう思ってその駅では降りなかった。

その後も孤慈駅、椎東駅…などの聞いたことのない駅を知らせるアナウンスが流れていった。

これが所謂都市伝説と呼ばれる怪異の類なのか…それとも単純に私が知らない駅なのか。そんなことは知る余地も無かった。


電車に揺られていると、着いた駅で思い掛け無い人物と邂逅した。

薄い桃色の髪、綺麗な朱色の瞳、その姿は親友の澄田穂希だった。

「由良…?由良だよね!」

明るく振る舞う彼女は間違いなく穂希だった。

「穂希!何でこんな所に…」

「それが…どうしても分からなくて…でも、気付いたらここの駅にいて…」」

もしかしたらこれは夢なのでは?そう思ったが、感覚がはっきりしていて、どうもこれは夢ではないと感じた。

「ここ…どこなんだろう…不思議だよね。この駅、ずっと真っ白なんだもん」

白。私が今まで見た景色もそうだった。

雪ではない、人工的な白。

そういえば、周りの人はどうしたのだろう、そう思い辺りを見渡した。

無人。お年寄りも幼い子供の姿も見当たらなかった。

「穂希…変だよ。ここ、やっぱり降り…………穂希?」

いない。さっきまでいた筈の澄田穂希が見つからない。

一体。どこへ行ってしまったの?

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