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桜空

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桜🌸
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・ω・ 🐌
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🏐 岩及BL『今夜だけは、離さない』
第5話「で、結局付き合ってんの?」
――翌日・青葉城西高校。
「なあ、及川」
「んー? なに、マッキー」
「お前らってさ、付き合ってんの?」
「…………は?」
朝の教室。
及川が飲んでいた牛乳を、危うく吹き出しかけた。
「ちょっ……な、なに急に!?」
「いやー、昨日のアレ見ちゃったからさ」
花巻がニヤニヤしながら隣の席に座る。
その後ろから松川もやってきた。
「岩泉が『好きだよ』って言ってたやつ?」
「~~~~っ!!」
及川の顔が、一瞬で真っ赤になった。
「な、なんで聞いてんの!?」
「聞こえたんだよ」
「聞こえるような声で言うなよ岩ちゃんのばかぁぁぁ!!」
「いや、岩泉のせいなのかよ」
松川が冷静にツッコむ。
花巻は机に肘をつき、楽しそうに笑った。
「で? 付き合ってんの?」
「…………」
及川は口を開きかけて、閉じた。
付き合っている。
その言葉を口にするだけで、胸がむずむずする。
だって。
岩ちゃんが、自分のことを好きだと言ってくれた。
昨日だって、手をつないで帰った。
それに、今朝だって――。
「……及川?」
松川に顔を覗き込まれ、及川はハッとした。
「な、なに!?」
「いや、すごい顔してる」
「どんな顔!?」
「恋する乙女」
「マッキーのばかぁぁぁ!!」
教室に響く及川の声。
花巻は腹を抱えて笑っていた。
「いやー、及川がこんな顔するなんてな!」
「うるさい!! 忘れて!! 今すぐ忘れて!!」
「無理だろ。おもしろすぎる」
「ひどい!!」
そのとき。
「……朝っぱらから、うるせえぞ」
低い声がした。
振り返ると、岩泉が立っていた。
及川の顔がぱっと明るくなる。
「岩ちゃーん!!」
そして、いつものように岩泉のそばへ駆け寄ろうとして――。
ぴたり。
昨日の会話を思い出した。
(……ま、待って。今、マッキーとマッツンがいる……!)
いつもみたいに抱きついたら、絶対からかわれる。
及川はその場で固まった。
岩泉は不思議そうに眉を寄せる。
「……なんだよ?」
「べ、別に!?」
「……?」
いつもなら真っ先に飛びついてくるくせに。
岩泉は少しだけ不満そうな顔をした。
それを見逃す花巻ではなかった。
「……あれ?」
「……ん?」
「岩泉、今ちょっと寂しそうじゃなかった?」
松川が頷く。
「寂しそうだったな」
「お前ら、黙れ」
「はいはい」
二人は顔を見合わせた。
――これは、間違いない。
⸻
💗 昼休み「岩ちゃん、こっち来て」
昼休み。
及川は珍しく、一人で弁当を食べていた。
いつもなら岩泉の隣に座って、ちょっかいをかけまくるのに。
今日は違う。
花巻と松川にからかわれたせいで、どうにも恥ずかしくなってしまったのだ。
(……だって、岩ちゃんが好きって言ってくれたんだもん)
(……嬉しかったんだもん)
(……でも、みんなに知られるのは恥ずかしいし……)
「……はぁ」
「何ため息ついてんだよ」
「うわっ!?」
いつの間にか、岩泉が隣に立っていた。
「い、岩ちゃん!?」
「お前、今日なんか変だぞ」
「そ、そんなことないけど!?」
「朝から俺のこと避けてんだろ」
「…………っ」
図星だった。
岩泉は少しだけ眉を下げる。
「……昨日、なんか嫌なことしたか?」
「ち、違う!!」
及川は慌てて首を振った。
「違うの! 岩ちゃんは何も悪くないの!!」
「じゃあ、なんだよ」
「…………それは……」
言えない。
好きって言われたのが嬉しすぎて、どう接したらいいかわからなくなったなんて。
そんなこと。
「……言えねえの?」
岩泉の声が、少しだけ寂しそうに聞こえた。
及川は慌てて岩泉の制服の袖をつかむ。
「ち、違う! 言える! 言えるけど……!」
「……けど?」
「……二人きりのときに言いたい」
岩泉が目を見開いた。
「…………」
「……だめ?」
及川が上目遣いで見つめる。
岩泉は数秒黙ってから、ふっと息を吐いた。
「……わかった」
そして。
及川の頭を、ぽん、と撫でた。
「放課後、待ってろ」
「…………っ、うん!」
及川の顔が、ぱあっと明るくなる。
その瞬間。
「はい、いただきましたー!!」
「うわああああ!?」
物陰から花巻が飛び出してきた。
その隣には松川。
「今の見た!? 頭ぽんって!!」
「見た。完全に恋人の距離感だった」
「お前らァァァ!!」
岩泉の怒号が廊下に響いた。
花巻は笑いながら逃げ、松川もその後を追う。
「いやー、ごちそうさま!」
「お幸せにー!」
「ぶっ飛ばすぞ、クソども!!」
岩泉が追いかけようとする。
その袖を、及川がきゅっと引っ張った。
「……岩ちゃん」
「……なんだよ」
「……ありがと」
岩泉は振り返った。
及川は恥ずかしそうに笑っていた。
「……放課後、ちゃんと待ってるね」
岩泉は一瞬だけ目を細めた。
「……おう」
そして、誰にも見えない角度で。
及川の小指に、自分の小指をそっと絡めた。
ほんの一瞬。
けれど、及川にはそれだけで十分だった。
⸻
🏐 放課後「俺の彼氏」
部活が終わったあと。
体育館の裏で、及川は岩泉を待っていた。
夕焼けが校舎を赤く染めている。
「……岩ちゃん、遅い」
「悪い。片付けしてた」
岩泉が隣に立つ。
及川は少しだけ迷ってから、口を開いた。
「……ねえ、岩ちゃん」
「ん?」
「……俺たちって、付き合ってるんだよね?」
岩泉が目を見開いた。
「…………は?」
「だ、だって!!」
及川は慌てて言葉を続ける。
「昨日、好きって言ってくれたし! 手もつないだし! 今日も頭撫でてくれたし!!」
「……お、おう」
「でも、ちゃんと聞いてなかったから……」
声が小さくなる。
「……俺だけ、そう思ってたら嫌だなって」
岩泉は黙って及川を見つめた。
そして。
「……徹」
名前を呼ばれ、及川が顔を上げる。
岩泉は、及川の手を取った。
「好きだ」
「…………」
「お前が好きだ。だから、付き合ってほしい」
及川は目を見開いたまま、動けなかった。
「……っ、い、今さら!?」
「今さらじゃねえ。ちゃんと言ってなかっただろ」
「……岩ちゃん……」
「……返事は?」
及川の目に、じわっと涙が浮かんだ。
嬉しくて。
恥ずかしくて。
どうしようもなく、好きで。
「……っ、はい……!」
岩泉が少し笑った。
「……よし」
「……よしってなに!?」
「いや、返事もらえたから」
「~~~~っ!!」
及川は岩泉の胸に飛び込んだ。
「岩ちゃん!! 大好き!!」
「おう」
「ほんっとに大好き!!」
「わかった、わかった」
岩泉は及川を抱きしめ返す。
そして、その耳元で囁いた。
「……俺の彼氏なんだから、もっと甘えていいんだぞ」
「…………っ!!」
及川の顔が、一気に真っ赤になった。
「……い、岩ちゃん!!」
「なんだよ」
「……それ、反則……」
「……そうか?」
「そうだよぉ……!!」
及川は岩泉の胸に顔を埋めた。
岩泉は笑いながら、その髪を優しく撫でる。
そのとき。
「……あのー」
「…………」
「……俺ら、帰っていい?」
「…………は?」
振り返ると。
花巻と松川が、少し離れたところに立っていた。
花巻は満面の笑み。
松川はスマホをポケットにしまっている。
「いやー、いいもん見たわ」
「青春だな」
「お前ら、いつからいた!?」
岩泉の顔が真っ赤になる。
花巻は親指を立てた。
「いやー、告白から♡」
「最初からじゃねえか!!」
「いやー、青春だなぁ!」
「松川ァ!!」
及川は岩泉の後ろに隠れた。
「……もうやだぁ……」
「……大丈夫だ、徹」
岩泉が及川の手を握る。
「……帰るぞ」
「……うん」
二人は手をつないで歩き出した。
後ろから、花巻の声が飛んでくる。
「岩泉ー! 及川泣かせたら許さねえからなー!」
「うるせえ!!」
松川も笑いながら叫ぶ。
「及川ー! 岩泉、大事にしろよー!」
「わかってるよー!!」
及川は振り返って答えた。
そして、岩泉の手をぎゅっと握り直す。
「……岩ちゃん」
「ん?」
「……俺の彼氏、かっこよすぎない?」
「…………っ、ばっ……!」
岩泉の耳が真っ赤になる。
「……そういうこと、外で言うな!!」
「えへへ♡」
夕焼けの帰り道。
二人の手は、さっきよりも強く結ばれていた。
もう、ただの幼なじみじゃない。
これからは。
恋人として、一緒に帰る。
コメント
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第5話、めっちゃ良かった……! 朝の教室で花巻と松川にあれこれ言われて赤面する及川が可愛すぎるし、昼休みに避けてるのバレて「なんかしたか?」って心配する岩泉の優しさが刺さる。放課後の告白シーンは「返事は?」「はい…!」で涙腺きたわ。最後に花巻たちが乱入して「ごちそうさま!」って締める流れ、コメディと甘さのバランスが完璧だった😭 お幸せに…!