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「昴くん……優しくするなら、私の中でして欲しいの……。早く私の中に挿れて欲しい……」
おねだりするように呟くと、七香の手の中にある昴のモノがさらに大きくなったように思えた。
しかし昴はいつものように足を開かせ、顔を埋めてしまったのだ。敏感な部分を舌で舐られながら、昴の指が何度も出し入れされ、七香の意識が一瞬で飛んでしまった。
「もうっ……いつも舐めてくるんだから……」
「嫌?」
「嫌じゃないよ……気持ちいいもん。でも挿れてって言ったのに……」
「今日は七香をうんと気持ち良くさせたいんだ……だから俺に身を委ねて、体の力を抜いて」
「昴くん……私、別にこの間のことには何も不満はないよ。もし不満があったとしたら、友だちでいることを否定されたことと……キスばっかりで気持ちを言わせてもらえなかったこと」
昴が悲しげな表情を浮かべて隣に寝転がったので、七香は彼の方に寝返りを打って昴を抱きしめた。
「それは……怖かったんだ……。七香を不幸にしているのは自分で、いつか誰かと一緒に俺のそばからいなくなるって思っただけで頭がおかしくなりそうだった。自分の行動が止められなくて、七香の口から拒絶の言葉を聞きたくなくて、何も言わせないようにキスをしたんだ」
「私が昴くんを拒絶すると思ったの? そんなわけないじゃない」
「でもあの男に言われて不安になったんだ……。それに七香、早紀さんを好きな俺が好きだっていっただろ? もし早紀さんを好きじゃなくなったらどうなるんだろうって……」
落ち着いて聞いてみれば、岩田が昴をけしかけたことが原因だとわかる。先日のランチの時に、七香のことは諦めると言っていたはずなの、わざわざ昴の元を訪れた意図はなんだろう。昴を七香から離すためか、それとも昴の七香への気持ちを確かめたのか、想像だけでは真実はわからなかったが、それによって昴がこうして七香への想いに気付いたのだ。岩田に対しての苛立ちは残ったものの、結果的に良かったと思うことにした。
「あのねぇ、私がこれまで昴くんから離れたことがあった? 昴くんが好きだから……早紀さんを好きな昴くんが好きなんだって自分に言い聞かせて、友だちでもいいからそばにいようって思ったんだよ。すごく苦しかったけど……昴くんから離れる方が悲しかったから……」
ようやく口に出来る本心が、|堰《せき》を切ったように溢れていく。
「七香、寛大過ぎだよ。俺みたいなクズ男、誰も手なんか差し伸べてくれなかったのに。七香は俺が迷いそうになると目の前に現れて、ちゃんと連れ戻してくれる。俺、七香の愛情に少しずつ堕ちていったんだ」
昴は七香の額に唇を押し付け、照れたように笑ったが、七香は彼の顔を見上げて瞳をじっと見つめた。
「私、愛は堕ちるものではないと思う。愛する、愛される、自発的な行動だと思うの。堕ちたらおしまい。でも愛する行為は永遠に続くでしょ? 私はこれからもずっと……昴くんを愛していきたいよ」
七香の言葉を聞いた昴はそっと目を伏せた。その目尻からは一筋の涙がこぼれ落ちた。
「ありがとう……俺、七香に出会えて本当に良かった……」
柔らかな笑みを浮かべた昴の頬に手を添え、キスをする。そのキスは互いを求め合うように徐々に激しくなっていく。
「いくよ……」
七香の耳元で昴が囁いた瞬間、体を彼のモノで貫かれ、体から力が抜けていく。
「七香、上も下も繋がってるね」
「……それ、前にも言われた」
「覚えてた? でも今は……心も体も繋がってる気がして幸せだな。愛のあるセックスがこんなに気持ちいいなんて知らなかった……」
ゆっくりとした腰の動きにうっとりと目を伏せると、昴が七香の胸の頂を指先で摘んだり転がし、そのたびに七香の意識は快楽の波にのまれていった。
「あっ、中が締まった」
「もうっ……んっ……」
腰が浮き始めたところで昴の力強い腕が体に回され抱きしめられると、互いの体がピタリと重なり合う。徐々に彼の腰の動きが早くなり、激しく何度も突き上げられ続け、そしてとうとう七香の体は絶頂に達してビクンと大きく震えた。
「愛してるよ……七香……」
「うん……私も……」
昨日の寝不足に加え、昴との愛を確認し合えたとてつもない解放感の中、七香は悦びに満ちたまま眠りについた。
白山小梅
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