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しばらくして風邪も治り、涼ちゃんはまた楽屋に戻ることができた。久しぶりにメンバーの顔を見ると、どこか安心したように少し笑う。
「おー、涼ちゃん来た」
高野が声をかける。
「体大丈夫?」
綾華も心配そうに聞く。
「うん、もう平気」
涼ちゃんはそう言って軽く笑った。
元貴も近づいてきて、涼ちゃんの顔を見る。
「ほんとか?無理すんなよ」
「大丈夫だって」
そんなやり取りをしていると、若井もギターを持ったままちらっと涼ちゃんを見る。
「……」
でも特に何も言わず、またチューニングに戻る。
それでも、涼ちゃんは少し安心していた。
またみんなで集まって、音を出して、笑って。
前みたいに楽屋でくだらない話をして。
そんな日々が戻ってきた。
レコーディングの合間も、四人で笑ったり、元貴がふざけたり、高野がツッコミを入れたり、綾華が呆れたり。
涼ちゃんもその輪の中にいた。
そんな楽しい日々が続いていたが――
ある日。
楽屋で、少し真面目な空気になった。
「ちょっと話あるんだけど」
高野がそう言う。
みんなが顔を上げる。
少し間を置いて、高野が言った。
「俺と綾華さ、バンド脱退することになった」
その言葉に、空気が止まる。
涼ちゃんも少し目を見開く。
「え?」
元貴は少し下を見ながら頷く。
「……そうなんだよ」
綾華も静かに続ける。
「それぞれやりたいこともあるしね」
楽屋の中は少し静かになった。
若井も黙ったままギターを触っている。
しばらく沈黙が続いたあと、
元貴が急に口を開いた。
「じゃあさ」
三人が顔を上げる。
「若井、涼ちゃんと同居しなよ」
「……は?」
若井が思わず顔を上げる。
涼ちゃんも固まる。
「え?」
突然の提案に、二人とも完全に戸惑っている。
元貴は普通に続ける。
「いやさ、俺もこれからソロ活動とかやりたいし」
「二人が一緒にいたら連絡もしやすいだろ?」
高野が少し笑う。
「急だな」
綾華も少し驚いた顔をしている。
若井は眉を寄せる。
「いや、別に…」
涼ちゃんも困ったように言う。
「いや俺も…」
二人とも 遠慮している。
なんとなく気まずい空気。
元貴は腕を組んで二人を見る。
「いやいや」
「別に変な意味じゃないって」
「メンバー同士だし」
「音楽もやりやすいだろ?」
そう言って、少し強めに言う。
「な?」
若井は少し頭をかく。
「……」
涼ちゃんも視線を落とす。
二人とも少し もぞもぞ している。
顔を見合わせる。
若井「……どうする」
涼ちゃん「……」
少し考えてから、
小さく頷く。
「……いいよ」
若井も少し間をあけて言う。
「……まあ、いいけど」
結局、
二人とも OKしてしまった。
RanJam
#病み