街を歩いていると、ふわふわのポメラニアンがちょこちょこと可愛らしく歩いていた。
「……佐久間くん」
ぽつりと、無意識に呟いた。
「え、俺のこと呼んだ?」
隣を歩く佐久間くんが首を傾げる。
「え、いや……なんでもない」
バツが悪くなって目をそらすが、佐久間くんはすぐに気づいた。
「あー! もしかして、あのポメちゃん見て俺のこと思い出したでしょ?」
「……っ」
俺が沈黙したのを見て、佐久間くんはにやにやしながら腕を絡めてくる。
「蓮〜、俺ってそんなにポメっぽい?」
「……うるさい」
「素直じゃないなぁ〜」
くすぐるように甘えてくる佐久間くんに、呆れながらもぎゅっと腕を引き寄せる。
「まぁ、可愛いとこは似てるかも」
「えっ、今の録音したい!」
「やめて、笑」
そんな他愛ないやりとりをしながら、二人は今日も並んで歩いていく——。
コメント
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え、可愛すぎない?