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死ぬ時は一緒だろ
悠斗「…」
ヴァルド「美味いなこれ」
悠斗「うん…」
ヴァルド「…どうした」
悠斗「もう食べれない…」
ヴァルド「腹いっぱいか」
悠斗「うん…」
子を売った金で買ったご飯はほとんど手付かずで食べるのを辞めてしまいました
ヴァルド「後で俺が処理しておくからな」
悠斗「…」
ヴァルド「…ん…美味い…」
ヴァルドは悠斗が残したご飯を悠斗が使った箸で食べていました
ヴァルド「この事は言わん…離れたくないから…」
さすがに人の残したご飯を人の箸を使って食べるのは文化の違いでごまかせないと思ったのです
ヴァルド「ふぅ…」
2人前を食べるのはきつく、胃が張っているような感覚になりましたが気にせず悠斗のために皿を洗うことにしました
腹が減ってきた頃
ヴァルド「酒飲むか?」
悠斗「…飲む…」
気持ちを紛らわすために酒を飲むのが当たり前になっていた二人は度数の高い酒を沢山用意しました
悠斗「ん…」
ヴァルド「んっく…ぷはっ」
悠斗は寂しげな表情で飲んでいましたがヴァルドは楽しく飲んでいました
ヴァルド「やっぱ酒は美味いな」
悠斗「…」
酔うと本来の性格が現れやすい
演技は壊れかけていました
ヴァルド「…悠斗」
ヴァルドは昔みたいに一緒に風呂に入ろうと悠斗の服を脱がせようとしました
悠斗「…ぅ」
ヴァルド「…」
苦しそうな表情をしている悠斗を見た時に、ヴァルドは現実に戻りました
ヴァルド「…休め」
理性が戻ったヴァルドは抱きしめていた悠斗を布団に運んで寝かしつけました
悠斗「…」
ヴァルド「…無理するなよ」
悠斗「…お前も…無理…するな…」
ヴァルド「俺は平気だ」
当たり前です。ヴァルドは周りに興味はなく、悠斗中心に生きてきて、悠斗さえいればそれでいい、悠斗がいれば他に何もいらない。そうゆう考えで生きてきました。妻に裏切られたことも、子供を押し付けられたことも、本音はもうどうでもよかった
悠斗「…そうか……」
悠斗は重い瞼を閉じてそのまま寝てしまいました
ヴァルドも隣で静かに眠りました
1週間後
子を売った時に出来た金はほぼ無くなり、今飲んでいる酒が最後のものです
悠斗「…なぁ…ヴァルド…」
ヴァルド「どうした?」
悠斗「俺…1人になりたい…」
ヴァルド「…は…」
悠斗「お前が…嫌いなわけじゃ…ない…でも…お前といると…息が上手くできないんだ…」
ヴァルド「…」
悠斗は疲れすぎたのです。ヴァルドが大切だからこそ、妻や娘という大切な存在を守れなかった記憶が出てきてしまうのです
悠斗「1人が…良いんだ…今は…」
ヴァルド「…離れないって言ったよな…」
悠斗「お願いだ…」
ヴァルド「無理に決まってるだろそんなこと!」
悠斗「ぅ…」
ヴァルド「俺はッ…お前が大切で…悠斗さえいればいいんだ!」
悠斗「いつか…戻ってくる…から…」
ヴァルド「いつかっていつだよ!!」
悠斗「…」
ヴァルド「そんなの耐えられない」
悠斗「…悪い事だとは…思ってる…」
ヴァルド「…」
ヴァルドは曖昧なことがとても苦手で、そのことは悠斗も知ってます
悠斗「…戻って来れないかもしれない…」
ヴァルド「死ぬ気か?」
悠斗「…」
ヴァルド「……ッ…」
悠斗「…また…明日にしよ…う…今日は…疲れた…」
ヴァルド「…」
悠斗「…おやすみ…」
ヴァルド「…”死ぬ時は一緒だろ” 」
その声は悠斗に届いたのか届いていないのか…無反応なのは確かでした
次の日
悠斗「…ぁ”ッ 」
ぐしゅっと嫌な音が鳴りました
ヴァルド「…お前がいなくなるぐらいなら…ここで一緒に死のう…」
悠斗「ぅ”ぐ…ぁ”…あ”…」
腹を貫く音は何度も繰り返しなります
ヴァルド「俺は…お前がずっと好きだった」
ヴァルド「お前を俺のものにしたいぐらいにな」
悠斗「…」
悠斗はいつしか反応しなくなりました
ヴァルド「…」
体は汚くても、顔は死んでも綺麗でした
ヴァルド「…んっ…」
ヴァルド「ん…ぅ…」
悠斗を殺したことでずっと我慢していた物が溢れ出て、ずっとやりたかった”舌を絡める”を欲望のままにしています
ですがヴァルドは妙に静かで、何かを話すことも無く、酸欠で視界が揺れるまで続けました
ヴァルド「ぷはっ…はぁっ…」
ヴァルド「…ッ…ぅ…」
現実に戻ったヴァルドは”自分で大切な存在を壊した”ことを実感しました
もう二度と話せない、抱きしめあえない、笑顔が見れない
声を押し殺して、子供みたいに泣いて、本当はこんな形で自分のものにするのではなく互いに認め合いたかったのです
ヴァルド「…悠斗…」
悠斗が全てだったヴァルドはそのまま自殺しました
お終い
コメント
3件
もうなんて言うか…天才としか言いようがない…
悲しい結末だなぁ... 考えさせられるし難しいね...