あなたのためならあたしは

1ヶ月前

ブルルルルル

(あみかママ)「はい？もしもし？」

(及川竜生)「ママさん、お久しぶりです」

(あみかママ)「その声は……竜生ちゃん？」

(及川竜生)「はい」

(あみかママ)「……もう、16年か」

(及川竜生)「……謝らせて下さい」

(及川竜生)「あの時はすみませんでした。」

(あみかママ)「……もういいのよ」

(あみかママ)「もういいの」

(及川竜生)「……」

(あみかママ)「……大丈夫よ」

(及川竜生)「……あの子と会いました」

(あみかママ)「……！それじゃ、まさか」

(あみかママ)「あなたが？」

(及川竜生)「はい、あたしが助けました」

(あみかママ)「……ありがとう」

(及川竜生)「……それでお願い事があります」

(あみかママ)「どうしたの？」

(及川竜生)「あたしは今まであの子から逃げてきた。会うのが怖かった。」

(及川竜生)「これを言っても言い訳しかないだけど……あの子から逃げてきたということは変わりはない。」

(及川竜生)「今回のきっかけで考えを改めました。16年間、ずっとあの子の事を想い続けた。どんな時でも。」

(及川竜生)「あたしにとってあの子は」

(及川竜生)「愛しい天使。」

(及川竜生)「それを16年間、変わらずに」

(あみかママ)「そうだね」

(及川竜生)「あの子のためならあたしはなんでもやる。たとえ死だとしても。」

(及川竜生)「罪を償えるのならば」

(及川竜生)「なんだってやる。」

(あみかママ)「……」

(及川竜生)「ママさん、あの子を守りたい」

(及川竜生)「償いとして。」

(あみかママ)「……あなたが言いたいことが」

(あみかママ)「よくわかったわ」

(及川竜生)「……」

(あみかママ)「あなた、今何してる？」

(及川竜生)「あたしは今、結婚し、タトゥー店をやってます。」

(あみかママ)「結婚したの？」

(あみかママ)「おめでとう！」

(及川竜生)「ありがとうございます」

(あみかママ)「後日、一緒に事務所に来て」

(あみかママ)「あの子のボディーガードとして、来て欲しいの。」

(及川竜生)「……！」

(及川竜生)「いいのですか？」

(あみかママ)「……いいのよ。」

(あみかママ)「あの子のためなら」

(及川竜生)「……ありがとうございます！」

(あみかママ)「それじゃ、またね」

(及川竜生)「はい、それでは」