そして3連休の日流星祭の日がやってきた。
私たちは待ち合わせをしていた。
千嘉「少し遅くなっちゃったけど歌葉もう来てるかな…」
浴衣の着付けに時間が掛かり私は少しだけ早歩きで流星祭が行われる神社を目指す。
神社に着くと階段の近くで青い浴衣に身を包んだ歌葉がもう来ていた。
歌葉「千嘉!」
千嘉「歌葉ごめん!待った?浴衣の着付けに時間が掛かっちゃって…久しぶりに着るから」
歌葉「薄い黄色の浴衣素敵だね!すごい似合ってるよ」
千嘉「本当に?似合わなかったらどうしようって思って…歌葉の浴衣も青で大人っぽくて素敵だよ」
歌葉「ありがとう…これね叔母からのお下がりなの…」
千嘉「そうなんだ!すごい似合ってる!」
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千嘉「久しぶりに来たけど相変わらずすごい人だな…迷子になりそうだね」
歌葉「本当よね…話には聞いていたけどここまでとは」
千嘉「それであそこの建物あるでしょ?あそこに流星の巫女がいるの……今年もSPがいるしやっぱりピリピリしてる」
歌葉「緊張感が半端ないわね…こっちまで緊張してくる」
千嘉「実はね友だちがいなくても1人で来てたんだ……どうして叶えたい夢があってね」
歌葉「叶えたい夢?」
千嘉「私が天体観測をするようになったのはその夢がきっかけなの」
歌葉「どんな夢なの?無理にとは言わないけど」
千嘉「私には双子の妹がいて私を産んだときに死んじゃってね…一度でいいから会いたいなってそう思ってそれからは星を見るようになってる」
歌葉「なるほど…死んだ人の魂は星になるっていうものね」
千嘉「でも今年は歌葉と同じ願い叶えるために来たんだもん!少しだけ行ってみない?」
歌葉「えぇ」
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千嘉「ここが限界か……やっぱり少し遠いよね」
歌葉「そうね…中に流星の巫女がいるっていうのがなんとかわかるぐらいね」
千嘉「仕方ない……ここからお願いしようか…1つでも情報ほしいしね」
歌葉「千嘉…本当にいいの?双子の妹に会いたいんでしょ?星は嘘をつかないから願ったら叶うかもしれないでしょ?」
千嘉「大丈夫!今は歌葉の願いの方が最優先だもん!気にしないでよ!」
そして2人でお願いを済ませて出店を見て回る。
千嘉「あっ!かき氷がある!食べない?」
歌葉「いいわね!シロップは何味にするの?」
千嘉「気分で変えるけど…イチゴとかメロンとかフルーツ系が好きかな」
歌葉「私はブルーハワイとかレモンとか少しすっきりした味が好きかも」
千嘉「それって飴玉だと薄荷味とか好きなの?」
歌葉「一番好きな飴玉の味よ!舐めてると嫌なこと忘れられるぐらいスカッとするから」
千嘉「見た目のまんま…大人だな~私飴玉だと薄荷キャンディーを親が買ってくるけど…食べれないもん」
歌葉「無理するものでもないと思うけど…ほらかき氷空いてきたから並ぼう?」
千嘉「うん!」
かき氷を購入して今回はイチゴのシロップをかけることにした。
歌葉はブルーハワイのシロップをかけていた。
千嘉「歌葉…ブルーハワイってどんな味?一口ちょうだい?」
歌葉「私もイチゴ味一口もらっていい?食べたことなくて」
お互い笑いあって一口ずつ食べ合う。
千嘉「大人っぽい味だね!でも歌葉の好きそうな味だなって思う」
歌葉「イチゴの味…初めて食べたけど甘い…」
千嘉「メロンの方がもっと甘いよ…私甘いものが好きだからやっぱりこっちの方が好きだな」
歌葉「でも好みが違うのは普通よね…みんな違ってみんないいって言うし」
千嘉「歌葉……めっちゃいいこと言うじゃん!今の発言一番星みたい!」
歌葉「?さっきから人があっちの方に行くけど何かあるの?」
千嘉「お祭りの最後に花火があるからその場所取りだよ…遠いよりは近くでみたいじゃん?どうせなら見ていく? 」
歌葉「今からじゃ前の方取られちゃったんじゃ…」
千嘉「こっち」
少し道をそれて私たちは人気のない崖の近くに来た。
千嘉「ここおすすめの絶景スポット…始まった!」
歌葉「キレイ…素敵だね」
花火が終わりしばらく余韻に浸ってから私たちも帰った。