???「ペットが飼いたい」???「唐突ですね」
???「ペットかぁ〜オレ飼ったことないなぁ」
???「桃時は何が飼いたいんだ?」
???「気になる〜」
ここは、生徒会室。「桃時」は今、項垂れていた。それを「雨花」、「橙」、「兎白」、「瑠璃人」が聴いていた。
桃時「そりゃあもちろん兎よ!」
橙・瑠璃人「あぁ……」
雨花「想像通り!」
兎白「どうしてみんな分かったんだ?」
瑠璃人「オレたちに言わせないで下さい……」
兎白「え?」
桃時「とにかく兎が飼いたい〜!生徒会室で飼っちゃダメかしら?」
瑠璃人「いや絶対ダメだろ」
雨花「雫さんなら許してくれそうだけど……」
橙「それにお金どうするんですか?」
桃時「各部活の予算金を巻き上げる!」
瑠璃人「あかんあかんあかんあかん」
兎白「うーんペットかぁ……」
雨花「でもここに愛玩動物いるじゃん!」
雨花は、小雨丸を取り出す。
雨花「取り出すって言うな!物じゃない!」
桃時「あんた何言ってんの?」
橙「私はこれを愛玩動物とは認めません」
瑠璃人「フンコロガシが生徒会の愛玩動物なのは嫌だ」
兎白「俺は別に構わないが……」
雨花「小雨丸の一体どこが不満なの?こんなに可愛いのに!」
橙「ていうかそもそも日本にフンコロガシはいませんよね?どこでみつけたんです?」
雨花「あぁそれはね……」
✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦
時は遡り、雨花『トウヒガ学園』入学直後、
雨花「(はぁ……学校生活……か)」
雨花は、「何も映っていない目」で考えながら、通学路を歩く。
雨花「(絶対あの写真を手に入れて……)」
スタスタスタスタ
雨花「?、今、何か……?」
雨花の足元には一生懸命糞を丸めているフンコロガシが雨花の足を通っていった。
雨花「(日本にいるんだ。フンコロガシ。まぁいいやどうでも)」
雨花は思考を続けながら、また歩き出した。しかし、
雨花「(ん?あのフンコロガシ道路横断しようとしてる?)」
なんとフンコロガシは信号が赤のうちに道路を横断しようとしてるのだ。
雨花「(フンコロガシの速度で間に合うわけないのに……)」
するとフンコロガシの糞が道路の凹みに入ってしまい、抜け出せなくなってしまった。
雨花「…………」
フンコロガシは糞を一生懸命運ぼうとしているが、このままだと間に合わない。
雨花「…………」
もうすぐ信号が赤になる。
雨花「あぁもう……」
雨花は走って、フンコロガシと糞を持ち上げて道路を横断した。
雨花「……よし、じゃあね。フンコロガシさん」
ニュイ
雨花「?」
フンコロガシは、足で雨花の靴下を引っ張る。
雨花「いや、わたしは面倒みれないよ。もっと優しい人に頼りな」
ニュイニュイ
雨花「…………じゃあね」
雨花は手でフンコロガシを遠くへ持ち上げて、離した後、帰ろうとした。しかし、
雨花「な、何。もしかして……」
「「糞を投げてる?」」
フンコロガシは、自分の貯めた糞を丸めて雨花に投げてきたのだ。
雨花「別にこれぐらいの攻撃痛くないよ。糞だし。」
※そういう問題ではない
フンコロガシは投げ続ける。
雨花「はぁ……わたしなんかの何がいいの?」
フンコロガシは今度は糞の塊を想いっきり投げてきた。
────雨花の胸に
雨花「…………」
しばらく沈黙が続くと……
雨花「はぁ……分かったよ。一緒に帰ろ」
そう言われた瞬間、フンコロガシは踊りに踊った。
雨花「変な虫……」
こうして雨花のペットになったのだった。
✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦
雨花「……って感じかな」
橙「…………糞の描写さえなければ」
桃時「感動するのにねぇ……」
兎白「俺は感動したぞ?」
瑠璃人「糞の攻撃を受けてどうして平然してられるんだよ……お前……」
雨花「あれから名前を付けて可愛がってたら愛着が湧いてきて学校にも連れていくことにしたんだ!」
桃時「はぁなんか今の話にげんなりしてペット飼う気失せてきたわね」
瑠璃人「いやそもそもお前がペット飼うとか言うからこんな話になったんだぜ?」
桃時「うるさいわよ!やるの?」
橙「まぁまぁとにかくペット飼うには信頼関係が必要ってことですね!」
兎白「そうだな。俺もいつか飼う時に備えて動物の本でも読んでおくかな」
橙「今はしなくても良いのでは?」
こうしてペット……というより小雨丸の出会いの話で終わった生徒会の一日なのであった。