ルカが帰ってしばらくした後、
メールでセーヌ川沿いのカフェで集合と送られてきた。
セーヌ川沿いってアバウト過ぎないかしら…。
セーヌ川は長いしどちら側かすらわからないじゃない。
しかもカフェなんて腐るほどあるのに。
あ、見つけた。
フラグ回収がお早いことで。
なぜか来たことがないはずなのに迷わず一直線にここにこれた。
きっとここに記憶喪失になる前に来たのだろう。
「名前は…カフェ・ミラキュラスか…」
中に入ってみるととてもオシャレな内装で
天道虫と黒猫がモチーフになっていた。
所々に他の動物があしらわれている。
なんだか懐かしい気持ちになるなぁ…。
すると奥から店員さんらしきご夫人が顔を出した。
「あら、こんにちはマリネット。あ、今の貴女にとっては始めましてかしら?」
夫人の優しい眼差しになんだか懐かしさがある…。
しかし今は覚えていない罪悪感が拭えない。
「こんにちは!あの…私…」
「分かっているわ。」
「え…?」
両親が伝えてくれたのだろうか?
「長いことお疲れ様。貴女のおかげで沢山の人々が救われたわ。」
「私たちはヘビの子からえぇっと…ルカと言ったかしら?」
ヘビの子…?ルカは蛇が好きだったのかな?
「はい…多分」
「よかったわ合っていて。 その子が教えてくれたからロンドンから戻ってきたのよ。」
「貴女は覚えていないと思うけど、これだけは言わせて? フーのことや今までのこと、本当にありがとう。そしてお疲れ様。」
夫人が私の手を包みながら言う。
とても感謝をしてくれて居るのが伝わってくる。
そのことすら覚えていない私。私自身に嫌気が差す。
「あの、マダム。」
「そろそろみんな来るようじゃ。 お嬢さんはあのセッティングされた席で待っといておくれ。」
マスターがくるりと背向けながら言った。
「ミラキュラス♪レディバグ♪奇跡を~身にま~と~い♪」
マスターがオープンの札をクローズにしながら歌う。
何だか聞き覚えがある曲。ここにきて何か、大切な物を思い出せそうなきがする。
「マダム、マスターが歌っている曲って何ですか?何だか思い出せそうで…」
「ふふっ。貴女の口からマスターと聞けて嬉しいわ。この歌はヒーローの歌よ。」
なんだ。アニメの歌かぁ。何だか拍子抜けしていまった。
そんな老若男女に人気なアニメがあったなんて…。
「ささ、座って?」
席を見てみると19席あり、全てモチーフの動物が違った。
そこで私は一番近くにあった黒猫の席に座ると夫人に肩をトンとされた。
「ごめんなさい。そこは黒猫の彼の席なの。 貴女はあなたの席、貴女をモチーフにした天道虫の席に座って欲しいわ。」
私は黒猫の一つとなりにある天道虫の席に移動した。
でも何故私のモチーフの物があって天道虫何だろうか。
そしてルカが言っていたあわせたい人は一体…?
コメント
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最高です👍🏻❤︎