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-—- 壱 戸惑い —–
それは突然のことだった。
いつものように学校から帰ってきた私は、普通に生活し、
寝る前は漫画を読んで寝た。
朝起き、気づくとそこは、私の知らない場所だった…
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○○ 「…何、ここ」
私の視界に一番に入ってきたのは、神社の鳥居。
見る限り年期が入っており、かなり昔からありそうだ。
○○ 「私、何でこんなところで…?」
辺りには人影はなく、生い茂る森林の中にひとつ、
ポツンと鳥居と、私の姿だけがあった。
上を見ると、太陽が西の空へと沈みかけていた。
○○ 「どれだけ寝てたんだろう。もう夜になっちゃう…」
私はやることもないので、とりあえず鳥居をくぐってみることにした。
長い階段をしばらく進むと、神社が見えてきた。
○○ 「古いなぁ。人が居たらいいんだけど」
本堂に近づいてみるが、やはり人の気配はない。
明かりも一切ついていなかった。
○○ 「…これ、夢だよね。」
私は自分の頬をつねってみる。
○○ 「痛い!」
普通に痛かった。
○○ 「夢じゃないの…?」
○○ 「すみませーん、誰かいますか!」
私は境内全体にそう呼び掛ける。
普段はこんな大声なんか出さないから、自分の声に少しビックリする。
ドッ、ドッ、
背後から微かに足音が聞こえた。
私はなんの躊躇もなく、後ろを振り返った。
○○ 「えっ」
そこに居たのは…鬼。
暗いので顔は分からないが、
その長い手足や体についた血から、私は鬼だと分かった。
○○ 「あ、あのぉ…もしかして、鬼ですか?」
まだ寝ぼけている私は、ノリで鬼に話しかける。
鬼 「グアァ…!!!!」
鬼は問いかけに答える筈も無く、私の方にどんどん向かってくる。
○○ 「うわぁ!すみません、向かってこないでー!!」
私は思わず後ずさりをする。
だが、すぐに壁に背中が当たってしまった。
鬼がもうすぐそこまで近寄ってくる。
顔がはっきり見えたとき、私は素直に気持ち悪いと思った。
○○ 「きゃぁぁ!!気持ち悪い…誰か助けてーっ!」
鬼の手が私めがけて振り下ろされる。
私はぎゅっと目を閉じた。
シュッッ
○○ (ん、衝撃がない…?)
目を開けると、そこには首を切られた鬼の姿と、
髪の長い男の子が立っていた。
私はその男の子の姿に見覚えがあった。それは…
男の子 「…怪我してない?」
○○ (時透、無一郎だ…)
私が昨夜寝る間に読んでいた漫画のキャラクター、
鬼殺隊霞柱、時透無一郎だった。
○○ 「ほっ、本物…だ」
無一郎 「…あぁ。一般人は鬼殺隊のこと、よく知らないんだっけ。」
私は実物の時透無一郎を凝視していた。
さらさらの髪に綺麗な水色の瞳。コスプレとかじゃない本物の隊服…
無一郎 「あの、そんなに見ないでくれる?」
○○ 「あ、ごめんなさい…
あの、助けてくれてありがとうございます!」
無一郎 「僕は…鬼殺隊として、当たり前の事をしただけだから。」
無一郎 「…君、ここは危ないよ。
死にたくなかったら、さっさと下山した方がいい。」
彼は刀を鞘に戻しながらそう言った。
察しの良い私は、ここが漫画の世界の中だと分かった。
○○ (鬼滅の世界にいるなら、やっぱりキャラ達に会いたい…!)
○○ 「あのっ!私もその…鬼殺隊に入りたいです。」
キャラに会うには鬼殺隊に入らないとダメなんじゃないか。
私はと思い、一か八かで言ってみる。
無一郎 「それ本気で言ってるの?」
一瞬で周りの空気が変わるのが私でも分かった。
無一郎 「鬼殺隊は…生ぬるい覚悟で入るモノじゃないよ。」
無一郎 「本当に覚悟が出来てるなら、最終選別を受けるといい。」
真剣に私の目を見つめながら、そう言った。
私はもちろん覚悟はできている。
推しのためなら何だってするオタク精神があるからだ。
○○ 「大丈夫です。私、覚悟はできてます!」
無一郎 「そう…もう君と会うことは無いと思うけど、頑張ってね。」
○○ 「はい!!」
私は人生で一番明るい返事をした。
この日から、はちゃめちゃな日常が始まった………
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また反響よかったら続き書きます!