涙が恋に変わるまで

　瑞希（みずき）が語った真実に、薄暗く覆っていた霧が晴れていくのを感じる。

　濁った眼が視野を狭くし、塞がった耳が遠ざけた。

　彼女はもう、これ程までに俺を信じてくれていたのに。

「……馬鹿だな、俺は」

　自分への呆れが極限まで辿り着いた。

　堪え切れずに呟くと、俺の頭を撫でていた彼女が手を止め、宙に浮かせたかと思ったら、軽い叩（はた）きを落とした。

「、っ」

「本当にね」

　軽い衝撃を受けた箇所を押さえながら顔を上げると、ようやく顔を見合わせた彼女は、今にも泣きそうな表情をしていた。

　驚きに、固まる。

「……凄くショックだった。――二度と言わないで」

　それが何を指しているのかはすぐにわかった。

　俺が彼女に対して、これ程、懺悔したいと思ったものは他にない。

「……二度と言わない。……誓うから、許してほしい」

　自分なりの精一杯な真摯さで告げると、彼女が＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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