テラーノベル
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ゆの㌠
38
#⛄️
kaede🍁
64,855
タイトル:配信マイクは、ため息を拾わない
ちょ、お前、急に距離詰めんなって!……あ、リスナー、今の画面の話だから。カメラ見てねぇよ」画面の向こう、数万人の視聴者が流すコメントが滝のように流れていく。ツンデレ実況者のハルは、必死にコントローラーを握り直した。顔が熱いのは、ゲームの難易度が高いからではない。すぐ隣に座る、もう一人の実況者——甘々気質な相方のレンが、ぴったりと肩を寄せてきているからだ。「えー? だってハル、ここのボス戦苦手でしょ? 俺が守ってあげなきゃ」レンは配信用の声(マイク)に、いつも以上の甘いトーンを乗せる。画面上のキャラクターがハルのキャラを庇うように動いた。『キャー!レンくんスパダリ!』『ハルちゃんまたツンツンしてるw』コメント欄が二人の「いつものやり取り」に沸き立つ。しかし、リスナーたちは知らない。机の下で、レンの長い足がハルの足にすりすりと擦り寄せられていることも。空いた片手が、ハルの太ももを優しく撫で上げていることも。「ハル、耳元で話していい?」「はぁ!? マイクあるんだから普通に喋れよ!」ハルは必死に声を荒らげないよう、理性を保つ。しかし、レンはマイクのミュートボタンを一瞬だけカチリと押した。「じゃあ、ミュートならいいよね」至近距離で囁かれた、低く甘い声。レンの唇が、ハルの柔らかい耳たぶを優しく食んだ。「ひゃんっ……!?!?っ」ハルは飛び上がりそうになるのを必死に堪えた。コントローラーを握る手がワナワナと震え、画面のキャラクターが意味不明なジャンプを繰り返す。『え、ハル今なんて鳴いた?w』『一瞬音飛んだ?』『ハルちゃんの挙動がおかしい件』レンは何食わぬ顔でミュートを解除し、いつもの極上の笑顔でマイクに向かって微笑んだ。「あはは、ハル、急に敵が来てびっくりしちゃったんだよねー? ほら、顔真っ赤。可愛い」「うる、さい……! お前、マジで後で覚えとけよ……!」ハルはヘッドセットのヘッドホン部分を深く被り、顔を隠した。リスナーのコメントは「照れてるハルちゃん尊い」で埋め尽くされている。(こいつ、配信が終わったら絶対にタダじゃおかない……!)そう心に誓うハルだったが、机の下でぎゅっと握られたレンの手を、最後まで振り払うことはできなかった。
第二話お楽しみに〜
コメント
1件
うわ、めっちゃニヤニヤしながら読んじゃった(笑)配信って「表の顔」と「裏の関係」の二重構造が描けるのが面白いよね。リスナーには見えない机の下の足の絡みとか、ミュート切って耳元で囁くとか、そういう「配信者あるある」を悪用した甘々イチャイチャが最高です。ハルのツンデレのツン具合と、レンの甘やかし加減のバランスが絶妙で、次話が気になる…!