今日もまた幼馴染と共に学校へ向かう。
「遥〜!!おっは〜!!」
「…おはよ」
「相変わらず遥は素っ気ないなー!!」
「そう思わないか?陸…」
「って何してるんだ?」
陸の手には何かが入った虫かごとスマホがあった。
「見たことない虫が居たから調べてる」
「あ..そうなんだ…」
海夏人がそう興味無さげに返事をすると
陸はギロリと睨む。
「それはそうと、今日さ───」
「じゃ、また明日な〜!!」
「陸、歩きスマホは危険だからやめろよー?」
「当たり前だ」
「遥もばいば〜い!!」
「…ばいばい」
私の幼馴染は “ 偽物 ” だ。
あの3人のグループに私が入っただけで、
私よりあの3人の方が圧倒的に仲がいい。
だから偽物の幼馴染。
家に帰り、
ガチャリという音と共に家に入るが誰も居ない。
小さい頃からそうだった。
親は夜遅くに帰ってきて、朝早くに出ていく。
だから朝食も夕食も、いつも一人ぼっちだった。
親に言おうとも考えたが、
なんだか迷惑をかけてしまいそうで嫌だった。
真っ暗で音が無い真夜中。
小さい頃は寂しくって泣いてたっけ。
でも、成長するにつれて、
段々涙は出なくなっていた。
そんなことを考えながら、
今日も私は1人寂しく眠りに落ちた。
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