「子供の頃以来だな」
「うわー、どんどん上がってる」
「そりゃあエレベーターだからな」
「高い高い、すごい」
「子供の語彙力」
「なっ!……本当のこと言ってるだけなのに」
「分かってるよ。からかっただけだ」
タワーのエレベーターが、ぐんぐん展望台へ向かって上がっていく。徐々に高く広くなっていく景色に感動していると、隣に立つお兄さんは意地悪く口角を上げた。子供の語彙力ってなに?失礼しちゃう。
東京タワーに行くと決めてからのお兄さんの行動は早かった。導かれるままに電車に乗り、後をついてきたらいつの間にか目的地に着いていた。きっと一人だったら、こんなにスムーズにここまで辿り着けなかった。お兄さんには感謝だ。
エレベーターが目的地に着き、扉が開く。一歩展望台に足を踏み入れると、そこには。
「うわぁ、すっごーい!」
「おい、走るなよ。はぐれるから」
興奮しながら窓ガラスに近付***********************
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