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第9話 拘束命令
魔法学園・中央会議室。
重苦しい空気の中、数名の上級教師が円卓を囲んでいた。
「結界の改変」
「記録の消失」
「学園外からの干渉反応」
机に並ぶ報告書は、どれも異常を示している。
「……共通点は一つだ」
学園長が、低く告げた。
「生徒――レオン」
沈黙。
反論できる者はいなかった。
「危険すぎる。
制御不能の力を持つ存在を、これ以上自由にさせるわけにはいかん」
「だが証拠が――」
「証拠なら“消えている”」
その一言で、全てが決まった。
「レオンを一時拘束する。
理由は“学園防衛のため”だ」
その瞬間。
会議室の隅で、アークが静かに目を伏せた。
(……来たか)
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その頃、レオンは実技棟の廊下を歩いていた。
(視線が増えたな)
隠す気のない魔力探知。
複数。
しかも、教師クラス。
「レオン・クロウ」
背後から、冷たい声。
振り返ると、結界術師と戦闘教師が立っていた。
その手には、拘束用の魔導具。
「学園長命令だ。
抵抗せず、同行しろ」
周囲の生徒たちが、ざわつく。
「え……?」「レオンが?」
「何かしたの……?」
(ここで暴れれば、
“危険な存在”という証明になる)
レオンは一瞬、目を伏せ――
「分かった」
あまりにも、あっさりした返答。
教師たちが一瞬、警戒を緩めた、その時。
「――ただし」
レオンが、顔を上げる。
「俺に触るな」
空気が、凍った。
次の瞬間。
拘束用魔導具が自然崩壊する。
「なっ――!?」
誰も魔法を使っていない。
だが、魔導具は“存在理由”を失ったように、砂になった。
「同行はする。
だが、拘束は拒否する」
レオンの声は、低く、静かだった。
「これ以上やるなら――
学園そのものが、持たない」
教師たちは、完全に硬直した。
(……勝てない)
本能が、そう告げていた。
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その光景を、少し離れた場所からアークが見ていた。
(自制してる……
それが一番、恐ろしい)
アークは、小さく息を吐く。
「学園は、
“神を檻に入れよう”としているのか」
その時、
アークの魔導板に、新たな反応が走る。
――学園外縁、強大な魔力。
(外部勢力……このタイミングで?)
嫌な予感が、確信に変わる。
拘束命令。
外部の動き。
そして――レオンの限界。
「これは……重なるな」
レオンは、静かに歩き出す。
嵐の前の、
あまりにも静かな背中だった。
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