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色々な事があったが全て解決し、いつも通り団子屋で働いていた。
栞「いらっしゃい!」
佳代「食べてってよ!うちの団子、特に桜餅は人気なんだよ!」
あれから佳代はより一層仕事に精を出している。
きっと気持ちの整理がついて自分なりに頑張っているのだろう。
お陰で店はいつもの倍、人で賑わい繁盛している。
おばさん「ありゃま!材料が少なくってきてる。でも、今は手が離せないし…」
なにやら何やら困っていたので声を掛けた。
栞「私が買い出しに行きましょうか?」
おばさん「良いの?じゃあお願いするわね!本当に助かるわ〜」
栞「行ってきます!」
(市場までそう遠くはない、すぐに買って戻ろう)
市場に着くとある店の前だけやけに人集りができており、気になったので八百屋の店主に話を聞いてみる事にした。
栞「あのー、あそこの店だけやけに人が多い理由何か知ってたりしますか?」
店主「ああ、あそこか〜。本当迷惑してるよ」
店主は何やら不満げに答えた。
店主「最近あの店ができてな、来た客の未来が分かるってんだ。最初は皆不信に思ってたんだが試しに入った奴が店から飛び出して来てこう言うんだ。『本物だった』って」
栞「じゃあ本当に未来が…」
店主「その日から噂が広まってこんな風に人集りが出来ちまったって事だ。お陰で客も減っちまってな」
栞「未来が分かるだけで何でお客さんが減るんですか?」
店主「それが、他の客にここより安いところを教えてるらしいだ。そういう事も分かるらしい」
栞「それは、迷惑ですね」
確かに商売客を取られた店主には毒だろうに。
だけど、未来が分かるのなら私の元いた時代への帰り方も分かるのだろうか。
それまでだった好奇心がますます強くなっていく。
栞「あ?!いけない、急いで買って戻らなきゃ! 」
栞「ただいま戻りましたー! 」
おばさん「ありがとね!お客さんも少なくってるし、あと少しでお昼だから」
栞「はい!」
お客さんが一人も居なくなって一旦店を閉めた。仕事がある日はいつもおばさんが賄いを出してくれる。
栞「いただきまーす」
食事中、佳代がある店について話た。
佳代「ねぇ知ってる?市場にできた新しい店。店主がどうやら未来が分かるらしいよ。今日行ってみない?」
栞「うん!行きたい!」
好奇心に抗えずつい二つ返事で行くことに。
それから店の仕事も終わり、三人で店に向かう。
店には相変わらず人集りができており、列まで作られていた。
私達はその最後尾に並んだ。
佳代「あ!見て、もうそろそろ私達の番だよ」
人集りで見えていなかったが扉近くに『来店の際は一人のみ』と注意書きが貼られていた。
まず先頭の佳代が入って行く。 2分程して出てきたが顔が引きつっていた。
次に銀次さんが入るがまたも2分程で出てきた。今度は顔を真っ赤にして出てきた。
私の番になりドキドキしながら店に入ると、何やら中は暗く灯りは両脇の壁と店主の前にある蝋燭の火だけ。
不気味に思いながら店主の元に恐る恐る近ずいて行く。
店主「いらっしゃいませ」
店主の顔が灯火で照らされて露になる。
女性で、長い白髪だがまだ若く年齢は20代後半くらいで綺麗な顔立ちだった。
店主「おや?お客様この世の者じゃありませんよね?」
栞「?!」
店主「当たりのようですね」
(やっぱり本物だったんだ)
栞「なんで分かったんですか」
店主「私には幼い頃からその人の未来が分かるのです」
栞「じゃあ話しても別に驚きませんよね。私は未来から来ました。今日ここに来たのは元の時代に戻る方法が分かるかもしれないからです」
話を聞いて店主は暫く考え
た末、私の手を握った。
店主「今からお客様の未来を視ます。そっと目を閉じて深く深呼吸をして下さい」
言われた通り、目を閉じ深く深呼吸をする。
店主「目を開けて下さい。
微かですが視えました」
店主は額に汗をかいており、何やら驚いていた。
恐る恐る聞いてみる。
栞「何が視えましたか?」
店主はため息をついて話し始めた。
店主「元の時代に戻る方法それは、目覚めた場所に戻る事です」
栞「それは前にもやりましたが、戻れませんでした。」
実は一度あの森に戻った事があるが何も起きなかった。
店主「私が視たのはお客様とあと一人誰かが一緒にあの森に居たところです」
栞「じゃあ誰かと一緒に行けば戻れるという事ですね」
店主「……はい」
栞「ありがとうございました!」
店主「あっ!近々、大火事でここ一体は焼け野原になるでしょう。そうなる前に私は出て行きますのでお客様も気を付けて」
去り際にとんでもない事を言われ顔面蒼白で店を出た。