テラーノベル
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オクトの過去のお話です。
オクトは皆が分かるような言語を喋ることが出来ません。
一応ですが、オクトの姿はこれです。
↓
ぼくの名前はオクト。タコだよ。傘だし陸にも出れるけど、海の中に居ることが多いんだ。
ぼくはね。お話が大好きなんだ。
皆と友達になりたいなぁ。
…あっ!サンゴの裏にクマノミ君が居るよ!
話しかけてみよう。
『■6$%3!』
(こんにちは!)
と僕は云う。
だけど、クマノミ君は不満げな表情で過ぎ去っていく。
ねぇ…。
どうして…?
返事をしてよ…。さびしいよ…。
…他の子にも話しかけてみよう。クマノミ君はぼくと、仲良くしたくなかっただけなのかもしれない。
きっと、きっと…。
イルカ君なら分かってくれるよね。
勇気を出してもう一度話しかけてみよう。
ぼくはサンゴの近くを泳いでいたイルカ君に話しかけることにした。
『■◆△0#1*[!』
(はじめまして)と言ったが、イルカ君まで不快そうな表情でぼくの前を立ち去った。
…きっと、イルカ君は予定があったんだ。
別の子にも話しかけよう。
しばらく泳いでると、餌を探してるカメ君が居た。
カメ君だ!
カメ君にも話しかけてみよう。
『℉9✖♦《◆』
(仲良くしよう)とぼくは少し震えた声で云う。
カメ君が
「…?何を言ってんの?」
と不満げな表情で言った。
ぼくは正直心が折れかけた。
何度も何度も言葉が通じるよう試みたけど、通じないの。
なんで…。なんで…?ぼくは…。ぼくは、ちゃんと…
正確な言葉を話しているはずなのに。
もう…誰にも話しかけたくない…。
こわい…あの顔をされるのが…怖いの…。
ぼくはただ、みんなと話したいだけなのに。
.
.
.
…ぼくの目の前に誰か居る。
ジンベイザメくん…?
ぼくのことを見てる。でも…。ぼく、君に話せないんだ。
ごめん…。ごめんなさい…。どうすることも…。
そう思ってた矢先
「ねぇ…大丈夫?とっても、お顔が暗いよ?」
とジンベイザメ君が言葉を発する。
ぼくは何も言えない。きっとぼくが話したら、ジンベイザメ君も逃げるだろう。
ごめんなさい…。
『◆△0#1…』
(ごめんなさい…)
あぁ…!やらかした。心で思っていたことが言葉に…。
せっかく話しかけてくれたのに…。
ぼくはなんてことを…。
そう思い込んでぼくは不安になりギュッと目を瞑る。
「ごめんなさい…?なんで謝るの?君は何も悪くないよ」とジンベイザメ君の声が聞こえる。
…!
ぼくの言葉が…。分かるの…?
ジンベイザメ君がぼくの言葉を理解してくれた瞬間 嬉しくて嬉しくて、感極まって涙ぐんだ。
『0△】♠○■2?』
(ぼくの言葉、分かるの?)と嬉しさと動揺が混じった声で言った。
「当たり前じゃん!わかるよ!」
とジンベイザメ君は微笑んで優しく言ってくれた。
やっと…。やっと。
ちゃんと…分かってくれる子が来てくれたんだ…。
ぼくの言葉を理解してくれる子が居るという実感と嬉しさで気持ちがいっぱいになって涙を流した。
「えっ!?なんで泣いてるの!?大丈夫!?」
ジンベイザメ君は呆然とした表情で、咄嗟に心配してくれた。
『■@<;;…』
(大丈夫…)
涙ながらにジンベイザメ君の優しさに包まれて僕は微笑む。
『良かったぁ…。』と微笑み返してくれた。
これ以上ない幸せな時間だと想った。
この時間が、ずっと続けばいいな…。
沢山おしゃべりして、沢山笑って思い出が出来た。
嬉しいな…。
ぼくが笑顔になれたのも、素直に話せるようになったのも全部ジンベイザメ君のお陰だ。
今もぼくとジンベイザメ君と大親友なんだ。
ずーっと大親友だよ!ジンベイザメ君 。
↓一応性格↓
モチーフ : 傘、タコ、糸通し(針)
サブモチーフ : 雨
【小ネタ・詳細】
タコが髪の毛
糸通しの糸が雨
アホ毛が傘
タコの足が傘
雨が降ってる日に傘の中に入っても閉じられたら出れません
話せる言語【#■▓2@〜(3】など解読不明な言葉しか喋れません
感情が不安定なので全部の感情が混ざり合う時があります(めちゃくちゃバグる)
落ち込んだときや困惑した時に髪の毛頭についてるもの、タコの足などがシナ…と下によれてしまいます
落ち込ませたら立ち直るのに時間がかかるので注意でしかない
コメント
2件
言葉をわかってくれるジンベイ君と出会えて良かったね、オクト。 優しい物語に癒されました。