テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
12月14日月曜日。
テスト漬けの一週間が、ようやく終わった。
僕にとっては授業よりテストの方が、実は楽だ。
ただテストの後の復習は、わからないところがわかる分効率がいい。
そしてそれを、未亜さんが見逃すわけもない。
そんな訳で週末の土日には、いつものように図書館に集合。
○ 主要教科の中間テスト自己採点と、間違った場所の復習
○ 業者テストの自己採点と、間違った場所の復習
なんてことをやったので、結構大変だった。
ただ美洋さんも亜里砂さんも、だいぶ点数が良かったらしい。
「これが最初からできたら、文句なかったのですよ」
そう未亜さんが言っているくらいだから。
そんな訳で月曜日放課後。
やっとテストから解放されて、準備室内の空気は冬合宿へと向かっている。
「唐沢鉱泉に車を停めて、テントを張る黒百合平まで、普通なら1時間50分。そしてそこから東天狗岳まで1時間半。さらに西天狗岳まで15分か」
地図を見ながら確認する。
何せ八ヶ岳なんて、本格的っぽいところで雪山初体験なんてやるのだ。
色々心配になったりもする。
「雪山登山というと、選ばれた人達だけの世界のような怖いイメージがあるのですよ」
未亜さんの言葉に、僕も同感だ。
「でも綺麗だって言うし、凄く楽しみなんです」
そう積極的なのは、もちろん美洋さんだ。
「雪山でテント張って、中で鍋やって。なかなか楽しそうなのだ」
亜里砂さんも積極派。
「今回のコースは、本格的な雪山の入門コースみたいなものなので、服装と装備さえきちんとしていれば、そんなに怖いコースではないですよ」
先生はそう言うけれど。
「もちろん装備はしっかり準備しますけれどね。一番大事なのは服装です。下着から、もう普段と違いますから。
まあ、貸せるようにお勧めのものが安い時にちょいちょい買っていますから、各サイズ在庫は十分にありますよ。最近は安いけれど使える服が、結構出ていますしね。
ただ、同じように見えるインナーでも、メーカーによって雪山に使えるものと使えないものがあるので、自分で買う時は十分注意して下さいね。
例えば素材。綿が駄目なのはもちろんですけれど、化繊でもレーヨン系は若干汗を吸ってしまうので、避けた方がいいんです。アクリルとかポリエステルとかポリウレタンなら、大体大丈夫ですけれど。
まあ服装については、メモでまとめたので参考にして下さいね」
単なる服装でも、普通の山以上に色々ルールがある模様だ。
何だか考えるのが大変だなと思ったところで、先輩が横から口を開く。
「要は、汗で冷えないよう、汗が外へ逃げて、なおかつ雪で濡れない服装ってことなんだ。その為に体温調節しやすく、動きやすい服装と考えた結果さ。
その辺はネットでうるさ方が色々書いているから、参考にすればいい。靴とかピッケルとかスパッツとかアイゼンは、先生の家にいくつもあるから心配しなくていいし。ザックは悠や亜里砂は自分ので十分だろ。寝袋とかシュラフカバーとかマットは、この前の山小屋と同じ。テントはこの人数なら、ぎりぎりあの大きいの1個で足りる筈」
「服装や装備の見本は、明日あたり持ってきます。あと、もし町でも山でも使える服を、これから買おうかと思っているのなら、今週末に一緒に見に行きましょうか」
あ、ここでちょっと嫌な予感がした。
亜里砂さんの家に泊まった時、買い物に付き合って疲れた思い出が、頭をよぎる。
あの牛歩に付き合うのは、もう勘弁して貰いたい。