コメント
3件
ちょっと見てない間にまた新連載始まった!! なんでれうは私の興味をそそる物語しか書かないんだ。控えめに言って最高。 今度はフィクションかの? とりあえず、「学校燃えないかな」とかいう誰もが一度はする妄想まじで分かりみが深い( 続きを全裸待機(っ ॑꒳ ॑c)
明星が朽ちるまでの余命3ヶ月
「時雨〜! 次移動教室だぞ〜!」
大声でそんな声が聞こえる。
親友の声は少し声が枯れていた。
どうやら昨日夜ふかしをして風邪気味らしい。
「おっけ!すぐ行く!」
今日までに提出の進路希望調査で悩んでいると、あっという間に時間が経っていた。
理科室に行きながらも、進路のことを考え続けていた。
進路希望調査が配られたのは二週間前。
二週間、ずっと考えていたのに
何も思いつかなくて今この状況だ。
提出日なのに何も書けていなくて焦っている。
やりたいこともなく、書けるような内容がない。
本当にどうしたらいいのだろう。
理科室に足を踏み入れ、自分の席に着く。
今日はどうやら実験の授業のようだ。
実験で誰かが失敗して学校が燃えてくれれば進路希望調査も書かなくて済むのになと、
そんな物騒のことを考えている。
ふと、自分の席の引き出しを見てみると
ノートがあった。
誰かの忘れ物みたいだ。
持ち主の名前を探そうと、ノートを手に取ると、ノートの表紙に『 私が死ぬまでの日記 』と書かれていた。
〃私が死ぬまで〃なんか書かれていると
気になって仕方ない。
少し見るくらいなら…いいよな…
一ページ目にはこのノートのルールが書かれていた。
可愛らしい、綺麗な字。読みやすいように、しっかりとまとめてあった。
『 一.このノートは私が死んでから人に見せること。
二.自分しか見たらダメ。
三.学校の人に病気のことを教えない(絶対!)』
と書かれている。
この子は病気らしい。
だが、どんな病気なのだろう?
興味本位でページを次々にめくる。
『 十月十二日。
病院に行き、病気だと診断された。
病名は膵臓がんらしい。そして、治る確率はゼロに近いと。
余命は三ヶ月。わたし、死ぬのかな。』
『十月十三日。
お母さんとお父さんが私のために
病院をあちこち回ってる。
私の病気を治せる病院を探してるだとか。
わたし、死ぬんだね。死ぬの、怖くないかも』
『十月十四日。
やりたいリスト作りまーす!
映画とかでやりたいリスト作ってたから一度はやってみたかったんだよね!
なんか楽しみになってきた!
一.男の子とデートに行くこと。
二.男の子とお泊まりすること──』
「おい!授業中に何してんだ!」
ノートを集中して読んでいたせいか、
授業が始まったことに気づいていなかった。
「すみません。気をつけます」
最悪だ。人前で怒らて。
この後のみんなの反応が怖いじゃないか。
「気をつけるじゃない! そのノート、貸しなさい。先生が預かる」
…だめだ。
これは持ち主の大事なノートだ。
先生に預けてしまっては…。
「嫌です。先生に預ける必要はありません」
「は?なんでだよ?」
「これは人のノートです。俺のじゃありません。俺が責任を持って持ち主に返します。
なので、先生は授業を進めてください。」
「ん、なんだそれ。」
先生は呆れたように教卓の前に立った。
初めて先生に抵抗した。
抵抗するのも、悪くないかもな。
昼休み、ノートを再び開いた。
『十月十五日。
やりたいことリスト、やっぱり辞める。
どうせ叶わないし、すぐ死ぬし?
だから、辞める。』
辞めてほしくない。
顔も見たことがなかったが、
やりたいことリストを諦めてほしくなかった。
僕はペンを持ち、知らない子のノートにペンを走らせた。
『僕がやりたいことリスト、叶えてあげます。二年B組 楪 時雨』
たった一言、そう書いた。
そして理科室に行き、元の場所へと戻した。
きっと、持ち主が取りに来ると信じて。
次の日の昼休み、昼食のためにメロンパンを買いに教室を出ようとすると
ポニーテールをした女の子とぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさい」
「大丈夫です!あの、楪 時雨さんって居ますか?」
突然名前を呼ばれ驚いた。
僕は何かしただろうか?
「楪 時雨は僕ですが。何か…?」
「あっ、ちょっといいですか!」
屋上へと手を引っ張られた。