テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
藍
122
ぬんぬんふぁみ
1,502
59
477
第6話 推しが繋いだ縁
祝日。
本当ならイベントへ行きたかった。
だけど、その頃の私はまだ研修中だった。
研修先のホテルで生活していて、祝日だからといって家へ帰れるわけではない。
イベントの情報を見ながら、少しだけ寂しい気持ちになっていた。
行きたかったな。
そんなことを思いながらスマホを眺めていた。
そんな時だった。
ふと、あることを思い出した。
イベントをきっかけに仲良くなった子。
SIちゃんだ。
話しているうちに、研修先がSIちゃんの家の近くだということが分かっていた。
せっかくなら会ってみる?
そんな話になったのは自然な流れだったと思う。
正直、少し緊張していた。
イベントでは見かけていたけれど、こうして二人で会うのは初めてだったからだ。
待ち合わせ場所へ向かう。
SIちゃんを見つけた瞬間、不思議と緊張はなくなった。
初めて会った気がしなかった。
きっと、毎日のようにメッセージをしていたからだと思う。
会ってからは、たくさん話した。
好きな曲のこと。
イベントのこと。
推しのこと。
次はどのイベントへ行くのか。
話題は尽きなかった。
気付けば時間があっという間に過ぎていた。
数週間前までの私は想像もしていなかった。
二年ぶりにイベントへ行ったこと。
そこで友達ができたこと。
そしてこうして休日を一緒に過ごしていること。
推し活というと、推しに会うことばかり考えていた。
だけど、それだけじゃないのかもしれない。
推しをきっかけに出会えた人。
一緒に笑った時間。
そういうものも、きっと大切な思い出になる。
イベントには行けなかった。
だけど、この日は違う形で特別な一日になった。
-
読んでいただきありがとうございます!
推しに会えない日も、推し活は続いていく。
次回、新しい思い出がまた一つ増えることになります。
第7話もお楽しみに。
コメント
1件
第6話、ほっこりしました……! イベントに行けなくて寂しい気持ちから、推しを通じてできた友達との時間が特別な一日になる流れがとても温かかったです。初めて会ったのに緊張がすっと消えたっていう描写、すごく分かります。毎日メッセージを重ねてきたからこその信頼感が伝わってきて、読んでいて自然と頬が緩みました。推し活の楽しみ方はひとつじゃないんだなあって改めて思わせてもらえるエピソードでした🌷