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柏木さくら
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るしゅさん、番外編2話読了しました🕯️ 5万円って数字の魔力って怖いなって思いました…陸くんが「簡単に稼げる」って笑うシーン、背筋が冷えたというか。怪しさ満載なのに、本人が無邪気だから余計にゾッとするんですよね。最後の「23番」と呼ばれても何も感じないっていう一文が静かに効いてる…この後どう転ぶのか、気になって仕方ないです🥀
翌朝。
午前8時40分。
佐伯陸は、昨日送られてきた住所の前に立っていた。
「ここ……?」
目の前にあったのは、古びた雑居ビルだった。
看板はない。
人の出入りもない。
正直、帰りたくなった。
でも。
スマホには、昨日と同じメッセージが残っている。
【午前9時までに入ってください】
その下には、別の文章。
【遅刻した場合、報酬は発生しません】
「……5万だもんな」
陸はため息をついて、ビルの中へ入った。
階段を上がる。
2階。
そこには、何も書かれていないドアが一つだけあった。
陸がドアを開ける。
「……え?」
部屋の中には、すでに人がいた。
男が二人。
女が一人。
全員、陸を見る。
「……23番?」
一人の男が言った。
「そうだけど」
「俺、8番」
「私は11番」
もう一人の男が口を開く。
「14番」
陸は少し驚いた。
「番号って、みんな違うんだな」
「そりゃそうだろ」
8番の男が笑った。
「同じ番号だったら管理できないじゃん」
「まあ、それもそうか」
陸は空いている椅子に座った。
しばらくすると、さらに二人が入ってきた。
全員で六人。
そして午前9時。
――ピロン。
全員のスマホが同時に鳴った。
陸が画面を見る。
【参加者の皆様へ】
【これより本日の案件について説明します】
部屋の前方に置かれていたモニターが突然ついた。
画面には、いくつかの指示が表示される。
指定された場所へ移動。
そこで荷物を受け取る。
その荷物を別の場所へ運ぶ。
それだけだった。
「……本当にこれだけ?」
11番が呟く。
8番が笑った。
「だから言っただろ。簡単な仕事だって」
「報酬は?」
画面が切り替わる。
【報酬 50,000円】
「マジかよ」
14番が声を上げた。
陸も思わず画面を見つめる。
昨日、スマホで見た金額と同じだった。
「これなら普通にバイトするよりいいじゃん」
8番が嬉しそうに言う。
誰も反対しなかった。
そのとき。
モニターに新しい文章が表示された。
【注意事項】
【指定された場所以外には立ち入らないでください】
【指示された行動以外は行わないでください】
【他の参加者に関する情報を尋ねないでください】
「なんだこれ」
陸が呟く。
14番が肩をすくめた。
「別にいいんじゃね?」
「まあ……そうだけど」
その後、全員に個別の指示が送られた。
陸は一人で指定された場所へ向かった。
言われた通りに動く。
荷物を受け取る。
そして、指定された場所へ届ける。
それだけだった。
途中で誰かに声を掛けられることもない。
トラブルもない。
全部終わったのは、昼過ぎだった。
――ピロン。
【案件完了】
【報酬を送金しました】
陸はスマホを確認した。
本当に5万円入っている。
「……すげえ」
思わず笑ってしまった。
こんなに簡単に稼げるなら。
もっと早く知っていればよかった。
その日の夜。
陸は久しぶりにコンビニで好きなものを買った。
財布の中身を気にする必要もない。
スマホを眺めながら、陸は思った。
「明日もやろうかな」
その瞬間。
――ピロン。
新しい通知が届いた。
陸は画面を見る。
【本日の案件、お疲れさまでした】
【次回案件への参加を希望する場合は、明日午前8時までに返信してください】
陸は迷わなかった。
【参加します】
送信。
すぐに既読がついた。
そして。
【ありがとうございます、23番】
陸はスマホを置いた。
そのときはまだ。
その呼ばれ方に、何も感じなかった。