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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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翌日の朝、ヒスイは痛む頭を抑えながら目を覚ました。

机上の蝋燭の火はとっくに消えていて、溶けたろうが机にこびりついている。

せっかく買った蝋燭が、小さくなってしまった。

差し込む陽光に目を細めて、人通りの多くなった路地を睨む。


現在の時刻は、朝の十時。

アイラちゃんとの約束にはまだ時間があるな。


今まで、アイラちゃんと話す時には、必ず誰かが隣にいた。

でも、今回は違う、二人っきりだ。

彼女を疑いたくはないけれど、どうしても不安だ。


誰か、一緒に来てくれるような人は居ないだろうか。

信用があって、頼りになるような誰かは。


「あ、ハルカ。」


アイラちゃんとの一件以来、少し距離を感じてしまった彼だけれど、私が困っている時いつも助けてくれたのはハルカだった。

ハルカならきっと手を貸してくれる。

アイラちゃんと言葉を交わして、彼女の言葉に耳を傾け、そして和解する。

今までも同じように解決してきた、きっと大丈夫だ。


机に置いてある固定電話の受話器を耳に当て、ハルカの家の番号をダイヤルで入力する。


「ハルカ、聞こえる?  ヒスイだよ。」


返事は来ない。


「朝早くからごめんね、少し付き合って欲しい用事があるんだ。」


相変わらず、ハルカからの返事はなかった。

受話器からは、彼の声どころか、生活音も聞こえてこない。 

朝から急ぎの用でもあったのだろうか。


小さくため息をついて、そっと受話器を降ろした。


ハルカも頼れないとなると、次は誰だろう。

腹を割って話せるような、そんな人。

強くて、頼りになる。


頭に、一人の人物が思い浮かんだ。

少し抵抗はあるけれど、頼れるのは彼女だけ、だと思う。

息を大きく吸い込み、受話器を再び耳に当てる。


「もしもし?  トウカちゃん?」

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