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#BL
ruruha
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『幼馴染の雑談』
俺は珠奈の車をスクラップにしたという報告を受けた後、蛍太に気になっていることを尋ねた。
「泰輝(たいき)のこと?」
蛍太は皿洗いをしながら、質問をオウム返しする。
「蛍太の交友関係は把握してるつもりだったけど、彼は知らなかったな、って思ってさ。言いにくいことでもあったのか?いや、悪い人には見えないけど…」
むしろ、どちらかと言うと無害そうな人物に見えた。
ただ、蛍太はいつも新しい彼女ができたら俺に紹介していたし、別の高校の友人ができてもいちいち俺に報告していた。
それなのに、俺は今まで一度も蛍太の口から”高橋泰輝”の名前を聞いたことがなかったのだ。
「うーん……」
蛍太は珍しく、困ったように視線を宙に彷徨わせた。
「泰輝は、僕と似てるというか……」
「似てる?そんな感じしなかったけど?」
淡々と業務をこなし、人と一定の距離を保っている感じがした。
たぶん、職場の飲み会にも何かしらの理由をつけて参加しないタイプの人間だ。
別にそれが悪いとは思っていない。誰だって苦手なことはあるはずだ。
むしろそこが蛍太とは違うと思った。
「なんていうか…執着心が強いというか…」
蛍太は語尾を濁す。
「はっきりしないなぁ。あれか?恋人にフラレたあと、ストーカーになるタイプとか?」
俺がそういうと、蛍太は我が意を得たりと言わんばかりの顔をした。
「そう!それかも。あ、いや、恋人は作らないから好きな人をずっと後ろから見てるような…だから、蒼に会わせるのは気が引けたんだよ。僕と蒼が話してるところを見て嫉妬されると面倒だからさ」
言いながら麦茶の入ったコップを二つ持って隣に座り、一つを俺に手渡した。
「え、蛍太が彼に好かれてるのか?」
「懐かれてる、の方が正しいかもね」
「それ、大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃないかも」
蛍太は困ったように笑い、麦茶を一口飲んだ。
「ちょっと前にも、お店の常連客と話してるところを見ただけで不機嫌になったし。不機嫌になるだけならまだしも、ついうっかり殺しちゃう可能性もあるしなぁ」
「ついうっかりで殺される方はたまったもんじゃないだろ。……もしかして、店を辞めた理由ってそれなのか?」
「それだけじゃないけどね。そんなこと言ってたら、外じゃ働けなくなっちゃうし」
「ま、まぁ…そうだな…。じゃあ、廃車手続きのときに会ったのはマズかったのか?」
あのときの高橋の様子は至って普通だったし、俺に向けられた視線にも特別なものは何も感じられなかった。
「ああ、そこは安心して。蒼になにかしたらもう一生口聞かないって言ってあるから」
「それが抑止力になるのかよ」
「そうだね」
そして、いつも通り”へらっ”と笑った。
コメント
2件
あおいです🌷 第23話、読みました! 蛍太の「うっかり♡♡♡ちゃう可能性」ってさらっと言うところ、彼の危うさがにじんでてゾクッとしました…。しかもそれを言うときもへらっと笑うのが、幼馴染だからこそ見せる本音なんだろうなって。蒼くんの「抑止力になるのかよ」っていうツッコミも絶妙で、二人の距離感が伝わってきます。高橋くんの執着も気になる…続きが楽しみです!