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「白石さんってさ」
職場の同僚が、口にサンドイッチを運びながら、
「彼氏とかいないの?」
そう、聞いた
返答に困る質問だなぁ
「…好きな人はいるよ」
「え〜!?マジで?誰々、かっこいい?」
「ん〜、どちらかというと…可愛い系。でも、いざって時はちょーかっこいい!」
「えーいいな…青春だねぇ」
「今年26の人にそれ言いますかね23歳さん??」
「ん~?ちょっと何言ってるかよく分かりませーん」
「あ!こんにゃろ!」
いま仲良くやってるこの子だって、ただの話せる人でしかない。本当の友達なんかじゃないんだ
「その好きな人さ、今フリー?」
「……ううん、既婚者」
私はへらりと笑って答えた
「え?!やば!不倫とかすんなよ」
「しないよ。忘れられないだけだから
…もう諦めてる」
私の雰囲気を察したか、同僚は私の背中をぽんぽんと叩いた
「まー、白石さん美人だからさ、またいい恋があるって」
「…まぁ、そうだといいけど」
好きな人が女の子だって知ったら、この子はなんて言うのかな
「なー青柳」
「…なんですか?」
昼休み、先輩に声をかけられた
「あのさ、ちょっと思ったんだけど
彼女とかいんの?」
びっくりして、缶コーヒーを吹き出しそうになった
少しむせてしまい、先輩はおいおい、大丈夫かよ、と声をかけた
「…だ、大丈夫です
彼女はいません」
「ふーん…イケメンだし仕事できるし、モテんのにな」
「好きな人がいるんです」
「お?ガチ?ウチの人?」
「いえ、それに、諦めてるので」
「なーんでだよー、お前ならいけるだろ?あ!もしかしてその子、もう彼氏持ちか?」
やっぱり、女性であることが前提か
「…既婚者です」
「…あ、」
先輩は、少し気まずそうにして
「…ごめんな?コーヒー奢るわ」
「もう飲んでますよ」
「俺いい人紹介すっから!な?」
「…いいです。そんなの
彰人じゃないと、意味がな…」
つい、口走った
先輩は彰人のことも知っている
高校時代の先輩だ
「…東雲?」
「え、や…違」
「…辛かったな」
でもごめん、と先輩は続けた
「俺同性愛とかダメなタイプだからさ」
そう言って、先輩はデスクに戻って行った
なんだか、今日は疲れた
節約のためだと、白石と2人で住んでいるアパートに、俺は足を運ぶ
ドアを開けた
「ただい…」
「おかえり!」
被せるように、白石は言った
「ねぇ!今日ねこはねが電話くれたの!
妊娠したって!」
「…え、本当か!」
「うん!3ヶ月だって!ぜーったいかわいい!!」
いつもの白石だ
そう見えた
でも、違う
これは、違う
「…白石」
「ん?どうし」
「無理はするな」
俺は白石を抱きしめた
「…辛いだろう」
「…えへへ、バレた?」
「その辛さを分け合うためのセフレだろう」
「そう、だね」
一息置いて、白石は言った
「じゃあ冬弥の辛さも分けてもらわなきゃ平等じゃないよね」
「…バレてたのか?」
「…うん。バレバレだよ
何があったのか、教えてよ
それとも、する?」
前戯を終え、白石の中に俺の陰茎が入った
「…今日は無理をさせるが、いいな」
「いーよ、それで悲しくなくなるなら」
「んぅう…ッ//あ”ぁ”、♡…ッひ//お”、んっ♡」
「白石…ッ、しら、いし…」
ボロボロと、涙が溢れた
「どう、し…ッ//う”ぁ、ん♡はっ//ぁあ”//」
白石は、なんとなく聞いてほしくないような雰囲気を察したのか、その後は何も聞かなかった
いや、聞かないでいてくれた、と言った方がいいか
事後、午前2時
「無理をさせてすまない白石…」
ベッドの上には、小さく喘ぎながら、ビクビクと体を痙攣させる白石がいる
「ほんっ、とに…ァ//腰、はぁ…//痛…ッあぅ、//んんっ♡」
「本当にすまない…止まらなくなって、立てるか?」
白石の体を支えようと、少し体は触れた
「ひんッ!?//♡ビクンッ」
ビクンッと白石の体が跳ね上がった
「イっ…たのか?」
「…とーやのせいだかんね」
涙目で俺を睨む白石が、そう言った
開発しすぎたのだろうか
少し楽しくなってしまい、俺は白石の背中を指でなぞった
「〜〜〜〜〜!?!?!?//♡♡ゾクゾク」
「…ふふっ」
「なに笑って…!あ”ッ!?//♡」
乳首をぎゅっと摘んだ
カリカリと先端をいじったり、舌で舐めたりすると、白石は簡単にイク
「ふー…//…ッん♡やめ、っ//」
乳首をひたすら虐めると、白石の腰が物欲しそうに動き出す
「嫌なんじゃないのか?腰が動いているぞ」
そう言って腰を撫でる
「ちがっ//そんなんじゃ、っ♡う”ぁ…ッ//♡」
「そもそも!…っはぁ//今日の分は終わりでしょ!」
「…好きなようにしていいと言ったのは白石だ」
「うぅ〜…そうだけど…」
「では、そうさせてもらうな」
俺はベットに座り、白石と抱き合う形にして陰茎を差し込んだ
「あ”ッ!?//♡♡」
勢いよく挿れたせいか、一気に奥に届いたのだろう
そのまま、身体を上下に動かし、ただ、快感に溺れた
「お”ッお”ッ♡…ッ//お”ぉ、♡」
もう何回イっただろう
わからない
冬弥は今日、すごく溜まってるみたいだった
理由を聞くのは野暮だと思った
だからされるがまま、冬弥が満足するまで
なんだかんだ、私も楽しんでいるから、それでいい
ずっと奥を突かれて気持ちいい
同時に後ろの穴も刺激され、頭がおかしくなりそうだ
これで大抵のことはどうだって良くなる
帰ったら冬弥と気持ちいいことができる
それだけで、メンタルがだいぶ安定している
冬弥のおかげだ
こはねのこと、忘れられないけど
バカになる程の快楽は、現実を忘れられる
明日も明後日も、きっと
ずっとこの関係が続く気がする
ただひたすら、白石を求めた
俺にとってはもう、白石は依存先になってしまった
白石だってそうだろう
白石の喘ぎ声を聞いて、俺は気持ちよくなれて
白石は今日、小豆沢の妊娠報告でメンタルがだいぶやられていると思う
俺は、白石をどうしたら元気付けられるかわからない
じゃあセフレの俺にできることは一つだ
ただ快感を与える
それだけだ
俺が白石とセックスしているときに彰人を忘れられるように
白石もきっと、今だけは
小豆沢を忘れてくれている
それだけで今はいいんだ
「…ありがとね、冬弥」
シャワーから上がると、白石にそう言われた
時刻は午前3時半だ
「なにがだ?」
「私のこと、気遣ってくれてるじゃん」
「それは白石もだろう」
「…そうだけど、でも
それでも、ありがとう」
「…あぁ、こちらこそありがとう
ところで、腰は大丈夫か?」
「…大丈夫だと思う?」
「いや、すまない…」
「…ビッグアイスで許したげる」
「…っはは、じゃあ明日、帰りに買ってくるな
ラムレーズンでいいか?」
「…ううん
コーヒークッキーとラムレーズン」
「…あぁ、買ってくるな」