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「まず、お前は呼吸の才能がある」
俺は風神さんにとんでもないことを言われた
「いやいや、何いってるんですか、俺には呼吸の才能なんてないですよ」
俺は前回、呼吸の才能なんて無かった、だから戻った今だって、才能がないに決まってる
「お前、今から俺と匡近の動きを見てろ」
「え?」
「匡近、一本やるぞ」
「はーい!」
それから俺と匡近かさんと風神さんは、道場に移動した
「そもそも、呼吸ってのはな、一時的に身体能力を上げる能力なんだ」
「それは玄弥、お前にはできてる」
「…………でも、俺には才能なんて」
「それに、お前は鬼喰いをするんだろ?それからしてすげぇよ」
「え………どうして、それを」
「匡近から聞いた」
「匡近さんっ?!」
「ごめん☆」
あの野郎ー!!
「とりあえず、今から一本やるから、俺たちがどんな動きをしてるか見てろよ」
「は、はい」
「行くぞ!匡近!」
「はい!師匠!」
シュッ!!
「え、消え………た?」
俺が風神さん達を見た時には、消えていた
「風の呼吸!肆ノ型・昇上砂塵嵐!」
肆ノ型、それは低い位置から力強く踏んで、一気に技を繰り出す
………すげぇ、けど、あれ?俺、呼吸の使い方がわかる
あ………風神さん、ちょっと掠ったな…………
そして稽古が終わる
「玄弥、どうだった?俺たちの動きがわかったか?」
「…………はい、分かりました」
「………じゃ、お前は今日から俺の弟子な」
「………はい!」
それから俺は、風の呼吸の練習をした
……………が
「……玄弥、お前、全集中・常中は出来てんのに、なんで風の呼吸ができねぇんだ?」
「…………分かりませんよ」
俺にはなかなか合う呼吸がなかった、風神さんの使う呼吸、風の呼吸を使ってみたが、それっぽいのができるだけで、匡近さんや風神さんみたいな、強い風の呼吸はできない
「………やっぱり、俺に才能なんて、無いんだ………」
俺は落胆した
いくら全集中・常中が出来たって、呼吸が使えないと意味がない
「……玄弥、玄弥は才能があるよ、ただ、呼吸が合わないだけだ」
「だから、大丈夫!」
匡近さんがそう言ってくれたけど、流石にもう俺の自信が
「………でも、匡近さん………」
「じゃあさ、俺と一緒に呼吸を見に行かない?」
「え?呼吸を見に行く?」
「うん!柱の呼吸を見に行くんだ!」
「………うん!分かった!見に行こう!」
「………っうん!」
水柱邸(霧襲山)
「………なぁ、匡近さん」
「ん?なに?玄弥」
「…………ここはどこだ?」
「ここは、前水柱のところだよ!」
「いやそれは知ってんだけどな?!こんな山奥か普通?!」
「そうなんだよねぇーwww」
「ねぇ玄弥ぁ〜、良い加減、俺の事呼び捨てで呼んでよぉ〜!」
「何いってんすか!あんたは俺の恩人なんすよ?!それなのに下の名前でも恐れ多いのに、呼び捨てなんて出来ないですよ!!」
「えー、玄弥のケチー!」
「ケチでもなんでも無理です!!」
この人、こんな事してるけど、実はめっちゃ強いんだよなぁwww
「あ、ここが水柱の家だよ!」
「…………なんか、酸素がないっすね」
「だね!けど、こんなの慣れっこでしょ?」
いやまぁ、慣れてはいるけど、流石にここ薄くね??
え、ここで炭治郎鍛錬してたの?すげぇなあいつ
「えぇ、別に慣れてるから良いんですけど」
俺と匡近さんが話していると、天狗の面を被ったお爺さんがやってきた
「おおっ、やっと来たか」
「あ!鱗滝さん!お久しぶりです!」
名前は鱗滝と言って、前水柱だった人だ
「あの、今日は水の呼吸を見せてくれると聞いたのですが………」
「あぁ、こっちに来い」
「「はい!!」」
俺は炭治郎の水の呼吸を少し見てきたから、なんとなく分かるけど、あいつ、実は日の呼吸の後継者で、水の呼吸あってなかったからな、なんか違ったっつーか…………この人のはどんなんなんだろうな
「じゃあ、今から壱ノ型から出していく、良いな?」
「はい」
「お願いします」
「では、いく」
それから俺は、鱗滝さんが出す水の呼吸を見ていた
壱ノ型から順番にずっと出していた
その呼吸はあまりにも綺麗で、優しくて
そして………自分のことを守ってくれる、そう思わせるような呼吸だった
「………どうだった?」
「……すごい、です」
「その、なんて言ったらいいのか、分からないんですけど………その」
「綺麗な川のような、海にあるような………そんな感じがして、すごく綺麗でした」
「そうか、ありがとう」
「いやぁ!凄かったですよ!水の呼吸!」
「なんて言ったらいいんだろう、俺が今まで見てきた水の呼吸とは、一味違うような感じがしました!」
「そうか、そう言ってくれると嬉しいな」
「なぁ玄弥、知ってるか?水の呼吸は基本の呼吸なんだ」
「え、あぁ、知ってます」
「確か、水の呼吸から花の呼吸とか、色々派生していったんですよね?」
俺は鱗滝さんに聞いた
「あぁ、水の呼吸は、五代流派の一つで、型の量も多いんだ」
「それに水の呼吸は滑らかで、派生が多い」
「さっき玄弥が言った花の呼吸も、水の呼吸の派生なんだ」
「へぇ………」
でも、水の呼吸から花の呼吸って、凄いな、花繋がりで派生したのか?
「だからきっと、これから玄弥が見ていく呼吸は、もしかしたら水の呼吸の派生かもしれん」
「え、そうなんですか?!」
「いや、詳しくは分からないが、きっとそうだ」
「………玄弥、俺はお前に期待してる」
「きた……い?」
嘘、この人が俺に、期待?
「玄弥、お前は筋がある、だから呼吸を使いこなせているんだ」
「だから、もっと自分に自信を持って良いと思う」
「…………っ、ありがとう、ございます」
「さぁ、次は岩柱だろ?いくと良い」
「はい!」
俺、もっと頑張って、自分に合う呼吸を見つけないと!
岩柱邸
……ってか、岩柱って、悲鳴嶼さんだよな??え、俺大丈夫??俺殺されない??てか、悲鳴嶼さん覚えてる??
「南無阿弥陀仏………来たか、粂野」
「悲鳴嶼さん!こんにちわ!」
「あぁ、そして…………お前は誰だ?」
あ、俺のこと覚えてない感じだわ、良かったー
「え………あ、えっ、と」
やばいやばいやばい、俺、挨拶なんて考えてなかったんだけど
てか、悲鳴嶼さんに”お前”って言われたんだけど、やばい怖い
「もー、お前なんて言わないでくださいよ!この子は俺の弟弟子の『鬼喰玄弥』ですよ!」
「確か、手紙で出したはずなんですけどねー?」
「………あぁ、すまない、 鴉が手紙に気付いてなかったようだ」
「ふふっ、別にいいですよー!」
「………して、今日はどのようなことで?」
「今日は、玄弥に会う呼吸を見つけに来たんです!」
「………玄弥か?」
「あ、はい」
「えっと……鬼喰玄弥と申します、前風柱、風神蓮さんのところで修行をさせてもらってます」
「そうか……分かった」
それから俺は水柱同様、呼吸を見た
「………えっと、岩柱様の呼吸は、筋力が必要なんですね」
「それと、体幹がしっかりしてないと、ふらついたりするのがよく分かりました」
「そうか………いい観察眼だ、”玄弥”」
え、俺、今悲鳴嶼さんに下の名前で呼ばれた??嬉しすぎ!!
「…………っ!ありがとう、ございます」
悲鳴嶼さんに褒められた、俺はそれだけで泣きそうになった
俺は今世では悲鳴嶼さんの弟子にはなれなかったけど、でも俺は今でも悲鳴嶼さんを尊敬してる
落ち着いてて、優しくて、かっこよくて、強くて、俺の憧れの人
この人には死なないでほしい、生きてほしい
俺はそう思った
「………玄弥、私のことは”悲鳴嶼”と呼びなさい」
「え、いえいえそんな、柱に………」
それに俺はまだ隊士でもない一般人、そんな俺が悲鳴嶼さんのことを苗字なんて……
「………いやか?玄弥」
「いっ、いえ!嫌じゃないです!!」
「ふふっ、そうか」
そう言えば、悲鳴嶼さんって、昔のことが理由で子供は苦手なはずなんだけど………あれ?俺、懐かれてる??
だったら凄くね?…………すいません調子乗りましたすいません
「玄弥!凄かったなぁ!岩柱様の呼吸!」
「はい、なんか、力強かったです」
「それに、玄弥は可愛い」
「はい??」
カワイイ??カワ………カワイイ??
「いやいや、何言ってるんですか悲鳴嶼さん、俺は可愛くないっすよ」
何言ってるんだこの人は
「次はどこの隊士のところに行くんだ?」
「あ、元鳴柱様のところに向かいます」
「そうか、あの人は強い、よく見ておくと良い」
「分かりました!ありがとうございます!悲鳴嶼さん!」
「………なむなむ」
悲鳴嶼さん、ナムナム言ってて可愛いッッッ!!
鳴柱邸
「ごめんくださーい!」
・・・
こんなに無反応は初めてだな…………え、俺たちが来る事、鳴柱様知らない??ご存知ない??
「ごめんくださぁぁぁぁぁぁい!」
匡近さんがそう大声で言った時
「鬼殺隊の方ですか?」
と、後ろから声が聞こえてきた()
「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」」
それで思わず俺と匡近さんは大声をあげて驚いてしまった、すいません(((
「いやうるっさ!!」
「あ、えっと、貴方は……?」
「……俺は獪岳って言います、先生の教え子です」
かいかぐ??え、教え子?!凄いね君!!
「せんせい??」
「あ、先生っていうのは、桑島慈吾朗さんのことです」
「ほぇー」
この人、しっかりしてるなぁ
「………えっと、それで何か?」
「俺は粂野匡近、それとこっちが来週の月曜日から最終戦別に行く子の鬼喰玄弥!」
「えっと、こんにちわ、鬼喰玄弥と申します」
この人って、善逸の兄弟子さんじゃね?特徴がまるまる一緒だし、絶対そうだわ
「………失礼ですが、粂野さん、鬼喰は一体何歳なんですか?」
「あ、年齢聞いちゃう〜?」
やっぱり聞かれるんだな、年齢(((
「玄弥は今年の冬で十四歳の十三歳だよ」
「ちょっと匡近さん、ややこしい」
いやなんだよ、今年の冬で十四歳の十三歳って、分かりにくいだろ
「十三歳?!え、嘘だろ………」
「すいません、それが嘘じゃないんですよ」
「マジか………」
やっべ、俺、獪岳さんに挨拶してない!!
「獪岳たん、よろしくお願いします!
「お……おう」
なんかこの人、礼儀正しいし、良い人なのでは??
「それで、うちに何か?」
「あ、知らなかったなら今から言うね?俺たちさ、今いろんな人の呼吸を見てるんだよね」
「いろんな人の呼吸?」
獪岳さんが俺たちに不思議な顔して言う、まぁ、そりゃそうだよな
「実はさ、玄弥、今風の呼吸を使ってるんだけどね、どうもそれがあってないみたいでさ」
「呼吸があってない?そんなことがあるんですか?」
「うん、玄弥、全集中・常中は出来てるんだけど、どうにも風の呼吸が合わなくて」
「それでどうしようーってなって、今模索してるところ!」
「………そうなんですね」
「俺さ、獪岳くんの雷の呼吸見て見たい!良いかな?」
「………俺、壱ノ型、出来ませんよ?」
「良いよ!俺が見たいの!」
「………分かりました」
「玄弥、しっかり見ておくんだぞ!」
「はい!」
シィィィィィ
「雷の呼吸・弍ノ型・稲魂!!」
キィィィンッ!!ドガーン!
シュゥゥゥゥ………
「………これで、どうですか?」
「凄い!俺、こんなに綺麗な雷の呼吸は初めて見たよ!」
「え」
「ねぇ、凄かったね!玄弥!………玄弥?」
「あ………」
やばい、善逸を思い出してた
あいつ……今何してっかな
変な人に捕まってないと良いけどな、まぁ、あいつの逃げ足と耳なら、平気だろうけど
「すいません、昔の友人を思い出してしまって」
「いや、別に良いけど」
「ねぇ玄弥!どうだった?獪岳くんの雷の呼吸!」
匡近さんは俺にそう聞いてきた
「………凄かったです」
「雷の呼吸は、速さが大事です、獪岳さんはその速さを理解してる」
「確か、壱ノ型ができないと言っていましたよね?」
「あ、あぁ」
「けど、獪岳さんの雷の呼吸は、基礎の方から抜けて、呼吸を自分のものにしている」
「これはなかなかできないことなので、凄いことだと思いま………」
や…やばい!!俺、雷の呼吸のこと色々知らないのに、色々言っちゃった!!
「す……すいま、せん」
「いや……お前、俺のこと認めてくれるんだな」
「え?」
「いや……なんでもねぇ」
「………俺は、貴方のこと認めてるっていうか………凄いと思ってますよ?」
「え?」
「貴方は雷の呼吸を使ってます、それは凄いことです」
「雷の呼吸を使う人は数少ないと聞きました、雷の呼吸を使う剣士は、足の筋力と極限の集中力が必要」
「雷の呼吸を使えるってことは、それだけの集中力があるってことですよね?それは凄い………尊敬できることです」
「………俺にはその集中力がない、だから、雷の呼吸を使うことができない」
俺はすぐに癇癪起こすから、そんなこと出来ないんだよな
「だから獪岳さん、貴方は凄いんです」
「自分に自信を持ってください」
「……お前、偉そうに言ってんな」
「ぐぇっ!!すいません!!」
「でも………少し元気でたわ」
「マジか」
「おぉ、だから、暇になったらこっちに来い」
「俺が鍛えてやる」
「本当ですか?!」
俺たちが見るのは、生きている柱だけだから、これで終わりだ
「っはー、にしても、みんな凄かったな!玄弥!」
匡近さんが俺にそう言ってきた
「ですね………」
「水に雷に岩………うん、凄かったです!」
まぁ、一番凄いのは、風の呼吸だけどな
「それで、良いと思う呼吸はあった?」
匡近さんは俺に聞いてきた、けど………
「………どれも良い呼吸なんですけど、俺には合わないっていうか…………うーん」
「まぁ、合う合わないがあるしね」
「とりあえず、最終戦別には風の呼吸でいこ?」
「…………はーい」
そうして俺と匡近さんは帰路についた