第23話 鈍色の空の王都
(やってもらいたいことって、何!?)
ジェイドからの囁き声に、色んな意味で戸惑う理世。
至近距離はそのままに、ジェイドはさらに続けた。
「理世には……王都の地理を覚えてもらうよ」
「……え?」
きょとんとする理世に構わず、ジェイドは向かいに座り直した。
一瞬何を言われたのかわからなかった理世だったが。
(あー……そっか)
王都警備団の現場到着が遅れた要因を作ってしまったのは、理世の指示が正確ではなかったからだ。
今日初めて王都を観察した理世が、その地理を把握できていないことはある意味当然ではあるが。
(そうも言ってられないよね……地理、頑張って覚えよう)
理世が王宮であてがわれた部屋に戻ると、ほどなくしてジェイドがやってきた。
「はい、これが王都の地図だよ」
「……うん」
受け取る理世の声には、元気がない。
「地図……苦手なんだ*********
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