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これは自分が作った薬の話である。
私はとある薬を完成させた。ナラハミと名付けたのだがその効果はすごいものである。とある条件で数人の男女を集めた。その条件というのは。「夢がある。」ということである。
薬を飲ませるとすぐに全員、幸せそうに眠りこけた。中にはなにかは定かではないが幻覚を見て、部屋をうろつく者もいたが暴れる訳ではなかったただその場で泣きながら崩れ落ちる。程度のものだった。
その後。皆苦しみ出す、1~6時間程度、痛みに転げ回るものも居れば、気絶する者もいた。自分はこれを幻覚後の衝撃のようなものに体が耐えられないものだと結論付けた。
その後別室から。隔離した状態で話をした。話の内容は夢の内容が主となった。「死んだ恋人と話をした。」 「訳あって結婚ができなかったが夢の中で結婚ができた」 「喧嘩別れした愛人に謝罪ができた」と誰一人として薬を飲んだことを後悔しなかった。むしろもっと飲むことは可能かと聞いてくるものさえいた。それほど夢というのはすごいものなのだ。
その後軽く健康診断のようなものを行った。
すると数値に異常が見られるものが数名いたのですぐに帰らせた。その中でたった1人だけ完全に健康体の人がいたので自分は聞いた
「どうしますか?今回の実験は全て終了しましたのでお帰り頂いても結構ですが」
「……他に実験はありますか?僕で良かったら実験台になりますよ」
その男性は常に下を向いていて顔を見ることができなかった。
自分は少し考えると。
「絵を描いていただけませんか、?」
「……絵はちょっと、」
「ならば文でよろしいですから、」
彼は少し考えると、コクリとうなづいた。
その後少し時間が経つと原稿用紙を数枚渡してきた。その文はとても美しかった。情景も、人も芸術作品のようだった。ふと彼の顔を見ると。彼もまた芸術作品のような美しさだった。ここにその文を書きたい気持ちはやまやまなのだが。少し独占欲が出てしまった。書くつもりだったのだが…あの文も。彼も。自分のものにしたいのだ。
これは後日談だが彼はまだ自分の研究所に居る。実験台としてだ。実験が失敗すれば彼は死ぬ。言い方は悪いが実験用のマウスと命の軽さは同じだ。報酬も受け取ってくれないから本当に同じなのだ。
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