部屋の前から身体を乗り出し、下に向かって叫ぶ声は掠れてガラガラで、重たくなった心臓が今度はグッと握りつぶされたように軋む。
それでも強く、はっきりと聞こえる声は、
俺の中を満たして最後の方は嗚咽となって「行くな」と……こんな俺を引き止める。
大粒の涙が、降ってくるのが見えた。
「なによあの子……何なのよっ!」
由莉の目からも涙がこぼれた。
それからは次々と溢れ出し、子供のように手の甲で拭い去る。
俺は由莉の事を本当に何も知らなかったらしい。
ずっと我慢していた事も、わがままも、こんな風に泣くことも分からなくて、ただ見ようとしていなかっただけだった。
だけど……俺は――。
「由莉……ごめん。俺はもうみやを手放せない」
「……っもういい!行け、バカ!」
涙を堪え、背中を向けた由莉に何か1つでも言えたら……そんな事を考える余裕はなかった。
一刻も早くみやの元へ行きたくて*************
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