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???「…………」???「どうかしましたか?雨花さん?」
ここは、橙の家。「不山橙」はずっと窓の外をみつめている「紫雲雨花」に話しかける。
雨花「……橙ちゃん。」
橙「何ですか?」
雨花「もしかしたら……橙ちゃんとの約束守れないかも。」
橙「え?」
橙は、雨花との「約束」について想い出す。
《…………じゃあ約束して下さい。絶対これ以上怪我しないでちゃんとここに帰ってくるって》《分かった。誓う。絶対無事に帰ってくるって。》
橙「!、ダメです!絶対約束は守ってもらいます!前言撤回は無しって言ったじゃないですか!!」
雨花「橙ちゃん。今からあと一時間しないぐらいで「堕天」たちが襲ってくる。死神組の襲撃とは桁が違いすぎる。……でも、大丈夫だよ。橙ちゃん。わたしは「ここでは」まだ消えられない。必ずちゃんと帰ってくる。」
「「ちゃんと「ただいま」って言うから」」
橙「…………約束ですよ。」
雨花「…………!うん!」
「では、」
「「死神組の人たちに連絡しましょう。」」
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『何!?本当か!?「堕天」たちが……!』
橙「はいそうなんです。雨花さんが「堕天」の気配を感じ取ったそうで……」
『あいつの感覚は、鋭いからな……分かった。死神組のほとんどの総力を『無法地帯』に向かわせる。きっと今の『無法地帯』は、妖怪たちがいなくてがら空きになっているはず、あいつらは西洋からやってくるだろうから、妖怪たちがいなくなって、動揺するはず。そこを狙おう」
橙「分かりました」
ピッ
橙は兎白との電話を切った。
雨花「…………」
橙「雨花さん?電話聴いてました?」
雨花「うん。聴いてたよ。……ごめん。橙ちゃん。先『無法地帯』に行っておいてくれる?わたし寄るところあるから」
橙「どこに行くんですか?」
雨花「……あはは。橙ちゃん用心深くなったね。じゃあ橙ちゃんだけには話しておこうかな。実は……」
橙「…………!」
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兎白「全員、敵の攻撃に備えろ。第一部隊と第二部隊は、『無法地帯』の中にて、攻撃態勢維持のまま整列。第三部隊から第四部隊は……」
兎白は、組員たちに指示を出していく。
???「雨花がまだ来てないのが不思議っすね」
兎白「瑠璃人……そうだな……こんなこと今までなかったが……」
雨花は、自分が言い出しっぺなど、責任がある大きく伴うことにはとても真面目になる。だから、今ここにいないことが兎白も瑠璃人もとても不思議なのだ。
???「お二人共、もう準備満タンなんですね」
兎白「あっ」
瑠璃人「橙!?何でこんな危ない場所にいるんだ?!雨花は?」
兎白と瑠璃人の目の前には、橙がいた。
???「アタシもいるわよ〜」
そして、「桃時」もいた。
兎白「何で桃時もいるんだ?」
橙「アタシなら下級の天使なら時間停止できる。あんたたちだけに重荷を背負わせるわけにはいかないのよ。」
瑠璃人「なんか桃時って姉貴肌っていうより、兄貴肌だよな」
桃時「は?もう一回言ってみなさいよ」
瑠璃人「な、何でキレるんだよ!褒め言葉だって!」
兎白「で、橙はどうして来たんだ?」
橙「……一つは、桃時さんと同じ理由。そして……」
「「雨花さんから伝言を預かってます」」
桃時・兎白・瑠璃人「え」
桃時、兎白、瑠璃人は驚いた。
伝言ということは……
雨花はここには来ないということ
兎白「嫌な予感がする……」
瑠璃人「その伝言って何なんだよ」
橙「それは……まだ言えません」
桃時「何でよ」
橙「……誓ったんです。雨花さんと」
「組長!!!!」
兎白「どうしたんだ?」
組員の一人が冷や汗をたっぷり掻きながら兎白たちの目の前にやってきた。
「組長!「堕天」が襲来してきました!」
瑠璃人「でも、ここには来てないぞ……!」
桃時「な、何なのよ……やめてよ。まさかとは想うけど……そ、そんなこと」
橙「…………」
兎白「…………襲来場所はどこだ」
「それは……」
「「鬼灯刑務所です」」
桃時・兎白・瑠璃人「!」
橙「…………」
桃時「…………まぁそれは……予想はしていたわ。でも、アタシたちが最も恐れてることは……」
「伝令です!「堕天」たちに「鬼灯刑務所」の受刑者たちが捕まりました!そして、一人闘っている神がいるとのことです!今、「鬼灯刑務所」の防犯カメラ映像を出力します!」
組員は、空中に映像を映し出した。
兎白「…………くっ……」
瑠璃人「これは……」
桃時「あの馬鹿……」
防犯カメラには、一人天使と闘っている神。
────雨花がいた。
橙「……雨花さんの伝言は、あの世に仮住居を構えた妖怪の方々の保護と「鬼灯刑務所」の出入口を全て死神組の組員で固めて「鬼灯刑務所」にこれ以上天使を入れないようにして欲しい……ということでした」
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雨花「……あはは。橙ちゃん用心深くなったね。じゃあ橙ちゃんだけには話しておこうかな。実は……」
「「「堕天」は、『無法地帯』には来ない。「堕天」は賢い天使たちで構成されている。そして、自分たちが正しいと信じ込んでいる。それなのに、その「同胞」……つまり、ここで言う「妖怪」たちが裏切って、「堕天」でいう「間違い」を犯した者を「堕天」が放っておくわけない。間違いなく、「鬼灯刑務所」を一番最初に攻撃の対象にする。だから、わたし単独で行く。死神組と一緒に来たら、人数的にこちら側が有利になるから「堕天」は不公平とか訳分からないこと言って、妖怪の人たちに傷を付けるかもしれない。「堕天」はとことん自分たちが「正しい」と信じ込んでいるから、自分たちにとって「間違い」を犯した者には容赦なく攻撃するだろうし。さも「攻撃するのは当たり前。何故なら私たちは傷つけられたから」かのように接してくる。」
橙「なら、私も行きます!二人くらいなら人数的にも大丈夫なのでは……?」
雨花「橙ちゃんには、兎白くんたちに伝言して欲しいの」
橙「伝言?」
雨花「…………橙ちゃん。やっぱりわたし単独で行くしかないの。それを許してくれたら、さっきの約束必ず守れる」
橙「…………分かりました」
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橙「…………」
桃時「あいつ……自分独りで闘うなんて……」
瑠璃人「しかも、この映像通りなら……」
兎白「「堕天」のリーダー大天使が来るな」
桃時「とにかく「鬼灯刑務所」に行くわよ!」
果たして、天使との戦いはどうなるのか……
雨花は無事に帰れるのか……