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#普通
野々さくら
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ありあ
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一方その頃。
茜と焔垂ペアもまた、少し離れた道路脇で身を潜めながら、例の女性が現れるのを待っていた。
腕を組んだ茜は、退屈そうに道路の先を眺めながら口を開く。
「本当に来るのかな?」
焔垂は視線を前に向けたまま、小さく肩をすくめる。
「さぁな・・・」
その曖昧な返事に、茜はすかさず頬を膨らませた。
「さぁなってアンタね!そのおばさんの事
クリアランスとかドヤ顔で言ってたじゃん!」
焔垂は思わず額に手を当てる。
「在庫処分してどうすんだバカ!
クリアランスじゃなくてリメレンスだリメレンス!
どう聞いたらそんな間違いするんだよ!」
「もぉ〜・・・細かいなぁ〜・・・」
茜は悪びれる様子もなく笑う。
焔垂は深いため息をついた。
「てか、そもそも俺は、あくまでも
心理学的に来る可能性があるって言っただけだろ」
「そういうの屁理屈って言うのよ」
茜はニヤリと笑いながら焔垂を見つめる。
「だいたいアンタは昔っから──」
その言葉を最後まで言わせず、焔垂の表情が一変した。
「待て!」
鋭い声と同時に、焔垂は咄嗟に茜の体を抱き寄せる。
「!!!!!!」
突然の出来事に、茜の目が大きく見開かれる。
胸と胸が触れ合うほどの距離。
焔垂の腕に包まれた茜の顔は、みるみる真っ赤に染まっていった。
「ちょっと! いきなり何すんの──」
「いいから大人しくしてろ」
焔垂の真剣な声に、茜は思わず口をつぐむ。
焔垂は茜を抱き寄せたまま、小さく囁いた。
「今、おばさんが歩いて行ったんだ」
「え?まぢで?」
「ああ、まぁ、今のおばさんがストーカーか
どうかは 分からないけどな」
「あ、そっか・・なるほどね
顔を見たのは信愛だけだもんね」
茜もようやく状況を理解し、小さく頷いた。
「てか、いつまで抱きしめてるつもり?」
数秒後、焔垂は我に返ったように腕を離す。
「あ、ごめん・・・」
照れ隠しのように頬を赤らめながら、茜の体から距離を取った。
茜は少し乱れた制服を整えると、焔垂の顔を見てくすっと笑う。
「大胆になったね♬」
「う、うるせーよ」
照れ臭そうに視線を逸らす焔垂。
二人の間に気まずい沈黙が流れた、その時だった。
その空気を切り裂くように、茜のスマホから着信音が鳴り響いた。
それはさくらからの着信だった。
スマホから聞こえるコール音に、茜はすぐにスライドして応答した。
「もしもし?どうかした?」
茜は周囲を警戒しながら、小声で答える。
「今さっき、おばさんが歩いて行ったでしょ?」
「あ、う、うん・・歩いてったけど・・・」
「そのおばさんだって」
「え? まぢ?」
「うん! 信愛が間違いって!」
「分かった!」
さくらの返事は早かった。
「タイミング見計らって
みんなで取り囲むよ?いい?
その時になったらLIME送るから」
「りょーかい!」
通話が切れると、茜はすぐに焔垂へ向き直る。
「花牟礼は何だって?」
「さっきのおばさんがストーカーだって
信愛が間違いないってさ」
焔垂は思わず目を見開いた。
「まじでか!?」
「だから、さくらからLINE来たら一気に行くよ」
「ああ、分かった!」
二人は再び息を潜め、通りの様子を窺う。
その時。茜のスマートフォンが短く震えた。
画面には、さくらからの新着メッセージが表示されている。
『いくよ』
「あ、LIME来た」
茜が画面を見せると、焔垂は力強く頷いた。
「よし! 行くか!」
二人は同時に地面を蹴り、通りの中央を目指して駆け出す。
その先では、奥の路地から信愛とさくらの二人も全力で走ってくる姿が見えていた。
コメント
1件
×××さん、読了しました! 今回のエピ、めっちゃ良かったです…! まず冒頭の茜と焔垂の掛け合い、クリアランスとか言い間違える茜とツッコむ焔垂の関係性が可愛くて好きです。で、急に焔垂が茜を抱き寄せるシーン、ドキドキしました…! 任務中の緊張感と甘い距離感が絶妙で、茜が真っ赤になるのも分かる。照れ隠しで「大胆になったね♬」って言う茜、可愛すぎます。そして話が動くタイミング、さくらからのLIMEで一気に緊張が走る流れが本当に上手い。次の展開、気になりすぎます…!