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私の世界は変だ。
何故ならハロウィンの日に
オバケが遊びに来るからだ。
そのオバケはホラー漫画で見るような
怖いやつじゃなくて、
絵本で見るような可愛らしいオバケだ。
だが変なのはそこじゃない。
私の世界の人間たちは
私だって最初は変だと思ってた。
でも私の友達もみんなオバケを食べて
美味しいと言っているのをこの目で見たのだ。
ある人はそれを冷たいアイスだと表したり、
ある人はそれを白玉と表したりしていた。
それからオバケは人間たちにとって
高級食品となってしまった。
去年からはオバケの密猟が始まった。
でも、オバケ達は中々捕まらない。
網で捕まえれば通り抜けてしまうし、
追いかけているのに途中で見失ってしまう。
こんなことは多々あった。
だが、鳥井発明者と名乗る男性が
特殊な電気を放つ網を発明した。
しかもそれはオバケにとって
最悪なものだったのだ。
その電気網はオバケを次々に捕まえ、
オバケは徐々に少なくなっていった。
私は以前、オバケを見かけたが
相当人間が憎いのか小石を投げて
どこかへ消え去ってしまった。
そりゃあそうだろう。
人間だって種類の違う生物に
仲間を奪われていったらそいつらを
憎むだろう。
だが私をこの世界の人間と
同じにしないで欲しい。
私はオバケを食べたことがないし
食べたいとも思わない。
だって可哀想じゃん。
そして今年もハロウィンがやってきた。
周りの人達の会話はオバケの話で持ち切りだ。
そのとき、私の目の前をオバケが横切った。
周りは大騒ぎになり
捕まえようと試みたりしている。
もし、私がここでオバケを助けたら
オバケは捕まらないかもしれない?
もし私がここで見て見ぬふりしたら
オバケは私を恨むかもしれない?
そんなことを考えてたら私はいつの間にか
そのオバケを抱えてどこかへ走り去っていた。
そんな私を見て周りの人達は動画を撮ったり
暴言を吐いたり、色んな目で私を見ている。
誰かがSNSに書き込んだのだろうか。
それとも誰かが警察に通報したのだろうか。
私の後ろからは警察官や人々が走ってきてる。