テラーノベル
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お試しおつきあい期間、最終日。
俺は目黒に連れられて、気がついたら電車に揺られていた。
ちらっと横にいる目黒を見ると、なにやらにやにやしながらスマホをのぞいている。
なんでにやにやしてるの?と聞いてみたら、ぱっと画面を見せられる。
「え、江ノ島…? 」
mg「そう、あべちゃん行きたがってたでしょ」
結構前にメンバーが江ノ島に行っていて、水族館とか海の匂いとかを嗅ぎたいな〜…江ノ島行ってみたいと、ぽろっと言った…ような気がする。
ありがとうって言ったら目黒は優しく笑う。
mg「一旦旅館に行って宿泊手続きしたら、水族館だから。」
準備しといてねって、にこっと言われてしまったら、もう俺はドキドキしてしまって、俯いてはい。としか言えなかった。
目黒はすごく笑っていた。
宿泊手続きを終えて、俺たちは新江ノ島水族館に来ていた。
園内に入ると、休日ということもあってか沢山の人が展示を見ている。
俺らはというと、一応アイドルという活動をしているということもあって、バレないように結構な変装をした。
目黒はこんながちがちな変装久しぶりかも、と笑って言っていたけれど言うて男同士。
変に思われるかもしれない。と思って無理やり厳重に変装させたことは内緒にしておこう。
イルカショーなどのパフォーマンスがあるようで、まだ少し時間があるのでお互いで回ることにした。
熱帯地域の魚が展示されていたり、太平洋の魚が展示されていたりとためになるような解説などもあってテンションは上がっていた。
ペンギンやウミガメ、クラゲなども見に行ったりして、とにかく楽しかった。
30分ほど時間を潰した後、メインであるイルカショーを見るために席に着く。
バレないために 人があまりいない上の方の席にお互い座った。
「まだあとイルカショーまで5分くらいあるよ」
mg「じゃあ座ってよ、たくさん歩いて疲れたでしょ?」
はい、ってさっき自動販売機で買ったお茶を俺に渡す。
「わ、ありがとう」
mg「…あべちゃんさ、楽しい?」
予想外の質問に飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。
なんとか、耐えたけれど。
「え、楽しいよ?めっちゃ楽しい」
mg「なら良かった。ここら辺調べたら結構ここの水族館有名らしくて。喜んでくれて良かった。」
上の方にいるから、顔がバレないので、お互いマスクを外している。
目黒のとにかく無邪気な笑い顔が可愛くて、かっこよくて、もう、どうにかなってしまいそうだった。
「あの、さ。めめ…」
好き、って言いたくなって、言おうとした時わっ、と歓声が上がる。
ちょうどイルカショーが始まる時だったみたいだ。
わっ、すごい!見てみて!と言わんばかりの笑顔で目黒は笑う。
普段、クールであまり笑わない印象だけど、笑うと、やっぱり年相応に子供っぽくて、無邪気だから、それが、たまらなく愛おしい。
好き、って言いたいな。
でも、言ってしまったら、この特別な時間がなんでかなくなってしまうような気がして。
目黒の手をぎゅっと握るだけに留めた。
目黒は一瞬、戸惑ったような顔をしたけれど、すぐにふにゃりと笑って握り返してくれる。
下の方はたくさんの人が、上の方はまだらに人がいる。
誰もみてない。みてないと思ってる。
だから、手を握ったんだ。
イルカショーの内容なんか、入ってこなかった。
ただ、この特別な、幸せな時間が、もしかしたら今日で最後なのかもしれないと思うと、握った手を離したくなくて。
少し、ほんの少しだけ、ぎゅっと強く握りしめて。
イルカショーの冷たい水飛沫がちょっとだけ触れるたびに、この時間が続きますように。そう願うことしかできなかった。
/次回で最終話かと思いますのでお付き合い頂けますと幸いです。
#相互部屋
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コメント
3件

まだちと中途半端なんだね。 しっかりカップルに もしかしたら🖤はもうその気なのか 💚はまだ曖昧だけど 最終楽しみに待っています♪
作中で江ノ島に行く設定にしたのは、ただ単に主がたまたま江ノ島に行きたいと思ったからです笑