半年後
修行(苦行)を経て、それなりに魔力が多くなった
名前:タカト・エルベール
レベル1
年齢:1歳
職業:幼児
称号:世界を渡った者
スキル:言語理解・無詠唱Lv3・苦痛耐性Lv5・ 鑑定Lv2
体力:21
筋力:5
魔力:910
素早さ:1
防御力:1
幸運:100
それ以外にも、幸運がなぜか100になっていたり、スキルのレベルがそれなりに上がったり…どうやら魔力は使いきることで、基礎魔力分(僕の場合5)上がるらしい。新たなスキル【鑑定】は、クレアさんが先の件の心労を癒すために、僕を抱えて森に歩きに行ったときに沢山の物を見たことで得たんだと思う。こんな簡単にスキルって手に入る物なのだろうか…
気になって早速鑑定をクレアさんに使ってみた。 鑑定!
名前:クレア・エルベール
年齢:18歳
職業:専業主婦
ジョブ:魔導士(上級)
スキル:魔術Lv10・無詠唱Lv8・ 苦痛耐性Lv2・魔法箱Lv4・雄弁・再発動・冷静Lv3・酔い耐性Lv3・誘惑耐性Lv2・体力(夜)Lv8・淫乱Lv5・一途Lv10
体力:118
筋力:53
魔力:2109
素早さ:70
防御力:75
幸運:32
つ…強い!でも、所々ダンテさんが心配になるようなスキルがあるな…てか18!?こっちの成人年齢はいくつなんだ?ダンテさんのやつ、やるな…
でもこれで、この世界の普通の人のステータスがわかった。僕のステータスと照らし合わせてみる。
うん、 僕のステータスおかしくね?いや、おかしいのは薄々気付いていた。幸運が100になってから、魔力切れを起こしても何もおきないことが多くなった。
【幸運によって状態異常【頭痛】【吐き気】をレジストしました】
これのせいで苦痛耐性がなかなか育たなくなってしまった。大体50%くらいだろうか、レジスト(抵抗)が発動してしまう。
おのれ幸運…
ステータスの延びに関しては、僕が幼児だからだろう。子供はいつの間にか大きくなってしまうものだ。それくらいしか考えられない。
庭のダンテさんのステータスも見てみよう。
鑑定!
名前:ダンテ・エルベール
年齢:20歳
職業:グローブ村の警備隊長
ジョブ:剣士(最上級)
スキル:剣術Lv10・体術Lv10・ 苦痛耐性Lv10・屈強Lv10・並列思考Lv10・危機察知Lv8・冷静Lv10・精密Lv10・覇気・カリスマ・体力(夜)Lv2・酔い耐性Lv5 ・誘惑耐性Lv10・一途Lv10
体力:230
筋力:548
魔力:130
素早さ:406
防御力:321
幸運:40
この人ラスボスだろ…
そう思うほどに馬鹿げているステータス。ほぼ全てのスキルがLv10。多分10が最大なのだろう。驚きと同時に、この人達が僕の両親なのだと、嬉しさと言うか、誇らしさが胸に涌き出てくる。
だからこそ不安だ。あっちの世界で、大人になりきれなかった僕が、この人達のように、立派な人間になれるだろうか。というより、僕はこの世界で何をしたいんだろう。世界を救う使命がある訳じゃない。
何をするのも自由。人はそんな状況に置かれると何をしたら良いのか、何を目標にすれば良いのか分からなくなってしまう。
僕は瞼を閉じて思い出す。いつかのなに不自由ない平凡な生活、学校にいって、友人と話して、遊んで、彼女はいなかったけど、両親がいて、友人がいて、僕のことを想ってくれる人たちが近くにいた。僕が死んで、その人たちは悲しんでくれただろうか。悲しませてしまっただろうか…
嫌だ。悲しいのも悲しませるのも、寂しいのも寂しい思いをさせるのも。
絶対に死なない。死なせない。ダンテさんやクレアさんを、これから出来る友や仲間を、守れるくらい強くなりたい。そのためなら、僕はどんなことだって出来る。やって見せる!
–つづく–
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