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あなたがこの世界に産まれ落ちてから6度目の冬。クレアさんに編んでもらったマフラーを巻いて、いつも遊んでいる森へ向かう。
遊びと言っても、魔法の練習なのだが…今は水と風の属性を同時に使う氷魔法【フリーズ】の練習をしている。これがなかなか難しい。二つの属性を使うことは、ひとつのストローで二つのコップへ同時に水をいれるようなもので、なかなか詠唱を介してもうまくいかない。
「タカトくーん!」
あなたの名前を叫びながら近付いてくるのは、近所に住んでる同い年のルイスさんだ。この森で迷子になっているところをたまたま見つけてから、あなたについてくるようになった。はぁはぁと息を切らしながらも、笑顔の彼女はすごく可愛らしい。だが僕は彼女が苦手だ。
「今日も魔法教えて?そういえば、昨日教えてくれた無詠唱?って言うやつ、ちょっと出来るようになったんだよ!」
彼女はすごく魔法に熱心で、僕が教えた技術や魔法はすぐに習得してしまう。所謂天才と言うやつだ。
「もうルイスさんに教えれることは無いよ。僕も本に書かれてることしか知らないし…」
「もう!さんってやめてよ。ルイスでいいよ…それに、タカト君に教わりたいの…だめ?」
彼女はもじもじと体をくねらせてこちらをじーっと見てくる。
やだもう…この子ったら、そんなの僕以外にしたら食べられちゃうわよ!(おねぇ風)
まぁ…好意を寄せられるのは嬉しいことだ。仕方ない、タカト先生頑張っちゃいます。
「じゃあ今日は氷魔法を覚えよう。僕もまだ出来てないんだ。」
手順は簡単だ。イメージの話だが、まず壺の中から魔力を取り出して青色と緑色の容器に入れる。それを均一に混ぜ合わせて手から出す。ルイスさんにもこう説明したが、出来るわけ…
「出来たぁ!タカトくんの説明分かりやすいね。」
出来ちゃった…あっちの世界でもいたけど、感覚で出来ちゃう人には本当に敵わない。しかもルイスさんは天才の中の天才だ。ステータスを見たときはビックリした。
名前:ルイス・アナスタシア
年齢:5歳
職業:子供
称号:魔導王の卵(魔術習得確率超UP)
スキル:魔術Lv5・勤勉・無詠唱Lv4
体力:12
筋力:9
魔力:1681
素早さ:20
防御力:14
幸運:63
これだからな…なんだよ称号【魔導王の卵】って…僕の【世界を渡った者】(スキル獲得率大UP)も結構ヤバイんだけどさ…転生とか転移しなくても、こう言うすごいやつもいるんだなって、教訓になった。そのため僕は敬意を払って「ルイスさん」と呼んでいるのに、ご不満のようだ。
「僕だって…」
集中して魔力の出力を制御すると、掌に小さな氷の結晶が生成された。「やった!」と声が出た途端、それは霧散してしまった。
「あぁ…だめだ 」
あなたが根を上げていると、見かねてルイスが背後からあなたの手を取る。
「こうだよ」
耳元で囁かれた僕は面食らう。と同時に手から直径20センチの氷塊と呼べるほどの氷が射出される。その氷塊は木々を薙ぎ倒しながら7本目の木に当たったことで止まった。
「できたね♪」
蠱惑的な微笑みを僕に向けるルイスさん。
改めて言おう、僕は彼女が苦手だ。
称号【女々しい子犬】を獲得しました。
(女性に対しては、抵抗系スキルがLv2分下がった状態になる)
やかましいわ!
名前:タカト・エルベール
年齢:5歳
職業:子供
称号:世界を渡った者・女々しい子犬
スキル:言語理解・無詠唱Lv6・苦痛耐性Lv8・ 鑑定Lv4・指導Lv2・勤勉・魔術Lv3・魅了抵抗Lv1・健康体・
体力:35
筋力:23
魔力:3168
素早さ:28
防御力:20
幸運:100