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第1話『もちもち県ちょろまち』
午前9時、町の中央広場。特設ステージには、バカでかい横断幕が掲げられていた。
「第18回 地名バトル・ロワイヤル in ちょろまち」
司会が叫ぶ。
「集まれーっ!“名誉のちょろ”を守る者たちよーっ!」
「「うおおおおおお!!!」」
ステージに現れたのは、ちょろまち代表5名の戦士たち。全員、明らかにテンションがおかしい。
■登場人物(見た目付き)
・小西ジュリ(16)
高校1年生。ギャル系。髪は金に近い茶色のふわふわカール、制服を改造してスカート丈が危険水域。
「負けたら“もっちりババア市”とかにされんで!?絶対勝つし〜!」
・大島サンダー(41)
ちょろまちの電気屋。サングラスにランニングシャツ、全身モリモリの筋肉。
「地名っつーのはな、肩で語るもんだ!!」
・ナミちゃん(8)
ちょろまち最年少代表。ツインテールにランドセル。表情は真顔。
「勝ったら“ちょろきゅん市”に改名していいって、お兄ちゃんが言ってた。」
・町長・ふわ田もちぞう(60)
頭に“ちょろ”の文字入りはちまき、ピンクの法被(特注)。体型はもちそのもの。
「ワシの名を取って“もちぞの里”でどうじゃろう?ダメ?」
・謎の男・ましゅまろんX(年齢非公開)
全身タイツ、顔まで覆われた白っぽいスーツ。声は常にエコーがかかっている。
「ちょろは、我が聖地……我、守るッ……!」
対戦相手は、“ポテ島連邦”。代表は5人全員ポテトチップス工場の作業員で、トングを武器にしていた。
競技は、謎の抽選により決定:
「第3種目:もちつきドッジボール」
ルール(やたら長い紙で配布):
モチを投げて相手に当てたらポイント
モチはついた直後でないと無効
杵を振りすぎると反則
モチを食べたら脱落
笑ったら1点マイナス(←なぜ)
試合開始とともに、ナミちゃんが豪速球のモチを投げ、ポテ島代表のリーダーが顔面直撃で粉まみれ。
サンダーは杵を空中で回しながら叫ぶ。
「オレの愛は……ちょろに捧げる!!!」
ジュリは見事なスライディングでモチを受け取り、粘り気でポテ軍のトングを封じた。
ましゅまろんXは叫ぶ。
「見よ、ちょろの誇りをーーー!!」
※観客全員大爆笑。笑ったので全員マイナス1点。
最終スコア:ちょろまち 8 - 7 ポテ島
※笑いすぎて両軍とも減点されまくったため、最終的にナミちゃんの「すごいモチヘッド」で1点差勝利となった。
試合後、町長が叫ぶ。
「ちょろはちょろのままでええ!!!誇りある、もちもちの町じゃーーー!!」
観客「「うおおおお!!!」」
こうして、ちょろまちは地図上から消えずに済んだ。
だが来年、彼らの出場は**“強制シード枠”**となるのだった。
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