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第2話『うんばば市(旧・静心町)』
静心町。かつては「日本一、品のいい町」とまで言われた小さな地域だった。
しかし第18回バトルロワイヤルに敗北し、勝者国の4歳児が叫んだひとことにより——
**「うんばば市」**へと改名された。
その結果、町の看板すべてが書き換えられ、町民は3日間笑うことすら許されなかった。
けれど4日目、町長が言った。
「もう笑ってええんちゃう?」
そして迎えたリベンジ戦、第19回バトルロワイヤル。
町を代表して集まった5人は、全員が**“うんばば魂”**を宿していた。
■登場人物(見た目とキャラ)
●三条マイ(17)
高校生。腰まである黒髪をリボンで縛った清楚ギャル。白のセーラー服を改造して、スカートに「うんばば命」のワッペン付き。
「どうせなら、世界一カワイイ地名にしてやるんだから!」
●今泉ヨシオ(52)
地元カラオケ屋の店長。紫のスーツ、虎の刺繍入りシャツ、片耳にピアス、香水くさい。
「うんばばカフェ、今じゃ全国11店舗やで!見とき!」
●夏芽つむぎ(28)
町立図書館の司書。長いベージュのスカートと、カーディガン。おだやかな声で静かに本を閉じるが、今日だけは拳を握る。
「図書館で鍛えた集中力……ナメないでください。」
●高城コースケ(44)
元・地名看板職人。身長190cm。スキンヘッドで強面。全身に「旧・静心町」「しずこころ」の札をぶら下げ、無言で立つ。
趣味は書道と猫の動画鑑賞。
(無言でうなずく)
●うんばばン総長(年齢不明)
学ランにサングラス。背中に「うんばば一筋」と墨で書いた長ラン。移動はすべてバク転。語尾に「ば」を付けがち。
「今、うんばばがキてるば!世界の中心はここば!」
対戦国は、ベチョベチョランド。代表5人、全員が“ぬるぬるプロレス”出身。
競技は抽選によって選ばれる——
🎯第11種目:
『全員参加型・うんばばダンス選手権』
音楽に合わせて自由に踊る。
一番“うんばばらしさ”を体現したチームの勝ち。
判定は観客投票(国際配信中)
会場に大音量で流れる謎の音楽「♪うんばばばば〜↑ばば〜↓」。
紫のスポットライトがまわり、いよいよ、戦いが始まった。
マイは舞台の中央で、扇子をくるくる回しながらアイドル風うんばばステップ。
ヨシオはマイクスタンドを投げ回し、まさかのエアギター。
つむぎは本を持って踊りながら「うんばば語録」を朗読。
総長は360°バク転を連続で決めて、ラストに謎のポーズ「うんば☆スター」。
そして——
コースケは、一言も発せず、巨大な木札「静心町」をリズムに合わせて掲げ続けた。
まばたきもしない。ただ、まっすぐ前を見て、汗をぬぐわず、背筋を伸ばして。
観客、静まる。
そして——拍手が起きた。
子ども「なんか……かっこいい」
外国人記者「ジャパン・スピリッツ……!」
司会「うんばば市、魂の舞でありますッ!!」
観客投票、結果:
うんばば市:96%
ベチョベチョランド:4%(←母国票)
ステージ上、町長が叫ぶ。
「うんばば市は、うんばば市のままでいきます!!誇りあるダサさじゃあ!!」
町民「「うんばばーー!!!」」
その夜、「静心町の魂を継ぐ男・コースケ」の画像は海外SNSでバズり、
“うんばば”は地名界のサブカルアイコンになった。
✅次回予告タイトル:
『ピヨピヨ共和国(旧・カザル市)』
→ 全員着ぐるみで殴り合い!?ひよこ大乱闘バトル、開幕!
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