この作品はいかがでしたか?
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私は自分のロッカーの横にある窓から外を眺めた。
春らしい優しい水色だった空が段々と夏に近い、濃い青へと変わってきている。
入学から2週間が経った頃。
私は気づいた。あの目立つ3人組に尋常じゃないほど嫌われている。
まぁ、理由はあらかた見当がついてる。
そのせいで私は新学期スタート1週間ほどですでにクラスから孤立していた。
うちのクラスの女子はあの柿倉ってやつを中心に固まっていて、私はそのかたまりに入らなかったのが1番の原因だろ。
入らなかった理由は単純。陽キャ系女子と絡むと疲れるから。
今思い返せば何度か向こうから話しかけてくることもあったが、全部そっけなく返してたからあいつらの頭に血が上るのもそうだろうな。
でも私は本っ当にあーゆー感じの人と関わりたくないから嫌われたところで今からあのグループに混じろうとも思わない
私のことが嫌いなら嫌いでいい。
ただ、クラスの大半は”柿倉信者”だから柿倉が嫌いな人に自分から関わろうとは思わない。
故に、私はクラスの”ほぼ”全員から話しかけられることはなくなっていた。
1人を除いて。
「百合っぴ〜!!さっき初、購買でチョコ買ってきたから一緒に食べよ〜!」
もうここ1週間前後ですっかり聞き慣れてしまった少し高めのよく通る声。
何なら元々話しかけてくる人の種類が少ないから余計聞き慣れてしまう。
「ほんっとうるさいなぁ…私甘いもの好きじゃないからいらない。」
うんざりしながら振り向くと、やっぱりそこには赤咲。
「え〜うっそだ〜!!」
「嘘じゃない。」
「いいや嘘だね。アタイ見たことあるよ〜、百合っぴが学校帰りに駅前の屋台でチョコクレープ買って美味しそ〜に食べてるの」
ストーカーか。
「…今お腹空いてないから」
「否定しないってことはやっぱ好きなんだね〜?よーしじゃー食べましょう。拒否権はなーし!」
人の話聞けよ
そう思ってる間に席に連行され後ろ向きに座らされる。
赤咲は自分の机にチョコの袋を置き、慣れた手つきで袋を破る。
ふわっと甘い良い匂いがしたが、食べる気にはなれない。
「あれ〜?美味しそ〜なの持ってんじゃん、アタシにもちょーだいよ」
チョコの匂いを一瞬で塗りつぶすようなどぎつい香水の匂いがしたかと思うと、横からにゅっと手が伸びてきた。
見ると、私を嫌ってる3人組が真横に立っていた。
チョコに手を伸ばしている柿倉は私を蛇のような目でチラリと睨んだ。
嫌な予感…
中途半端ですがここまでです。 この後すぐに後編を投稿します。 最初は1個にしようと思ったんですが、1個にしたら2000超えたので読みやすさ的にも断念しました。
今伏線ばら撒きまくってますが、後で全部回収するので時系列がとち狂ってるのはご安心ください。
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おつみふ〜
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