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コメント
10件
めめだてありがとうございます!!!!😭🙏🙏🙏🙏
最高。めめだてっていいよな
最高すぎます😭😭😭ありがとうごさいます😭😭🫶🏻︎
ガヤガヤとした喧騒が壁一枚を隔てて耳を掠める。もし俺や彼が芸能人ではなかったとしても、飲むときは個室にしていたと思う。こんな恋人の可愛い姿、他の誰にも見せたくないから。皿の中は全て空になっていて、お開きまでの時間、ちょびちょびと気まぐれに酒を煽っていた。グラスに少し残った酒を飲み干すと、向かいでメガネを掛けたままテーブルに突っ伏している恋人が目に入り、片手でその顔を優しく上に向かせて眼鏡を抜き取った。
目「眼鏡かけたまま寝たら、痕ついちゃいますよ」
舘「……ん」
眠たそうな表情を浮かべて瞬きを繰り返す男がどうしようもなく愛おしくて、俺は向かいから手を伸ばして彼の柔らかい髪を撫でた。酒と眠気のせいでとろりと蕩けた瞳には普段の鋭さなんて微塵もなく、じっと俺だけを見つめている。なんだろう、なんかついてる?そう酒を含んだ思考でぼんやりと思った次の瞬間、彼に甘い紅茶のような声色で名前を呼ばれて俺は全てを察した。
目「家まで我慢してくださいね、舘さん」
舘「……やら」
目「え?」
舘さんはふらふらとしながら立ち上がると、おぼつかない足取りで俺の元へやってきた。俺も酒を飲んでいたせいで先程まで気が付かなかったものの、改めてテーブルに置かれたグラスの数を見てハッとした。「めぅろぉ……」と呂律の回らないまま名前を呼ばれて、近くに座り込んだ彼の方へ反射で顔を向けるとそのまま唇を塞がれた。絶対にキスされるって、分かっていたのに。
目「ま、って、んっ、ここ、お店、っだか、ら」
唇の重なる角度を変えられる度に必死に訴えかけたものの全く止まってくれず、その隙をつくようにして舌をねじ込まれた。そのまま座敷に押し倒されそうになるのを中途半端な体制のまま必死に堪える。ここでは、色々とまずい。本当はキスすらも、バレたらとんでもないことになるからなるべくしたくなかった。
肉厚な舌で口内を貪られて酸素が薄くなると共に、彼の空気に包まれそうになる。年上だからかいつも彼は余裕を携えていて、正直悔しい。けれどこうして、酒を飲むとその彼の冷静さは欠けては崩れ落ちていく。そうなると止められるのは俺しかいなくなるわけで……頑張れ、俺の理性。
数分の間、彼の好きなようにさせてから胸元をトントンと叩くとやっと唇を離してくれた。しかし、拗ねた子供のように不満そうな表情を浮かべていて俺は思わず彼の身体を目一杯抱きしめた。なにその顔、可愛すぎでしょ。
舘「なに」
目「いや、『なに』ってこっちの台詞ですよ。急にキスなんかして……」
彼の黒い髪を指先で梳きながら落ち着かせるように背中を撫でると、首元まであるニットの襟をくっと引かれて、そのまま首筋に彼の濡れた唇が触れた。その一瞬で酔っているはずの思考が高速回転して、近々仕事で露出する予定があったかどうかを思い出した。雑誌の撮影は入っていないし、ドラマも露出するようなシーンもなかったはずだ。……よし、来い。
そう待ち構えたとほぼ同時に、猫が毛繕いをするようにペロペロと舐められていた首筋に歯を立てられる。酔うと人が変わったように甘えるだとか、キス魔になるだとか、彼はそんなもんじゃなかった。
目「っ、だて、さん……帰りましょ、ね?」
舘「んぅ……」
ガジガジと好き勝手噛まれて、極めつけにはジュッと強く肌を吸われて赤い花を咲かせられた。普段は痕を残すようなことは基本的にしてこないし、したとしても絶対に服で隠れるところにしか付けないのに。これが彼の本能だというのなら、どうにも唆られてしまう。
結局眠気にやられたのか、俺の肩にもたれ掛かって大人しくなった彼を連れて俺は店を出た。大通りでタクシーを拾い、家の住所を告げる。車窓から手を繋いで歩いているカップルを見つけて、少しだけ羨ましくなった。別に、今の関係に不満があるわけではない。十分満たされているし、そもそも舘さんの傍にいれるだけで幸せ。ただ、外で堂々と手を繋いで歩いたり、人がいる中でハグをしたりキスをしたり、そういうことに憧れてしまう。そもそも芸能人じゃなくたって、男同士なんだから。彼はふわふわと嘲笑いながらそう言うけれど、俺はそれだっていい。そこがどこだったとしても舘さんのこと全力で抱きしめたいし、誰に見られていようとキスをしたい。もちろん、舘さんが嫌がってるのに無理やりしたりはしないけれど。
そんなことを考えたところで、現実、俺達はアイドルだ。特定の誰かに抱えた感情なんて、秘密にして誰にも見つからない奥深くに隠さないといけない。
オートロックが閉まる音に被せるように俺は彼の唇に噛み付いた。彼は少し驚いたように目を開いて、それでも満更でもなさそうに俺の舌を受け入れた。外だから、舘さんにあれだけ煽られても必死に我慢してただけ。はやく舘さんのこと、食べたかった。
目「ねぇ、お利口でしょ」
舘「ん……そうだね、めぐろはおりこうだよ」
目「じゃあご褒美くださいよ、舘さん」
夜に濡れた瞳で真っ直ぐ見つめて彼を求めると、抱きしめるように背中に腕を回された。密着した身体が暖かくて、心地良い。もちろん、キスもそれ以上のことも好きだけど、舘さんと一緒なら何だって好き。食事も、寝ることも、仕事も。
彼の健やかな白い頬に指を沿わせる。指先で優しく肌を撫でると彼は仄かに嬉しそうな表情を浮かべて目を瞑った。
目「舘さん、好きです」
舘「うん。しってる」
満足そうな、自身に満ちた顔で彼はそう言った。それがどれだけ幸せなことか、自覚はどうやら無さそうだった。
部屋いっぱいに満ちる熱い吐息と甘く掠れた声。いつもなら手の甲で覆ってしまうその全てが、酒に溺れている今は直接聞こえてきて無意識に口角は上がった。白くて綺麗で滑らかな肌を指先でなぞると、その緩慢な刺激でさえ感じてしまうのか彼はビクビクと身体を震わせた。
舘「っん、んぁ、ふ、ぁっ……」
目「痛くないですか。久々だから、若干きついですけど」
舘「っ、だい、じょ、ぶ……ぁっ、めぐ、っろ」
中に沈めたまま慣らしていた腰をゆっくりと動かして内壁を擦ると、快楽に堪えるように目をきゅっと瞑って彼は悦んだ。互いに仕事が立て込んでいて、こうして身体を重ねるのは数週間ぶりのことだった。
恋人同士が久々に二人きりの時間を取れたというのに行為に及ばないなんて訳がなくて、寝室にはローションやゴムなど必要そうなものを事前に準備していた。予想外だったことといえば、数週間と期間が開いてしまったし、しっかりと慣らさないと……と思っていたものの彼が家でその準備してきてくれていたことだ。俺と同じように、彼も俺のことを求めてくれていたのだという事実に身体は幸福で満ちていく。
舘「めぐろ、もう、うごけ……はやく、っして」
目「っ、久々なんだから、あんま煽んないで」
正常位の体勢でベッドに横になっている彼の腰を掴んで、ゆっくりと自身のそれを抜き差ししていく。手のひらで掴んだ彼の肌の感覚すら溢したくない。数ミリの隔てが煩わしいほど、彼のすべてを直接感じていたかった。実際は、彼の体調が一番だからゴム無しでする気なんて全くないけれど。
暖房の必要がなくなるくらいに、互いの体温は徐々に高まっていく。じんわりと肌に浮き出た汗ですら扇情的で、俺はじわじわと本能に呑まれて腰を打ち付けていった。快楽と幸福を追い求めてぐりぐりと最奥を擦ると、彼の腰が大げさに震える。
舘「ぅぁっ゛ぁっあっ、んっん゛っく、ぁあっ、ぃ゛〜っ」
目「だてさん、ごめん止まれない」
舘「ん゛ゃっ、ゃぁっ゛っあっあっ、んん゛ぅ゛っっ」
与えられた快楽から逃げるように頭を振っている彼にとどめをさすように浅い部分を刺激して押し上げると、彼は呆気なく果てた。舞い散った白濁が綺麗な素肌を汚していく様に煽られて、俺は自制心のない子供のように彼の身体を揺さぶり続けた。じわりと彼の瞳に浮き出た熱い涙を見て、征服欲のような実態のない何かが湧き出てくるのを感じる。好き、大好き、他の誰のものでもない俺だけの舘さん。だから大切にしたい。それと同時に、壊してしまいたい。
舘「ま゛っ、ぁんっ゛めぐおっ゛やあ゛っ゛またっ、く゛る゛ぅう゛っっ〜〜゛」
目「ふっ、かわいい。もっと汚れてくださいよ」
舘「あ゛〜〜っっ、あ゛ぁぁっ、ぁう゛ぁ、っぁへ、ぅ゛」
焦点のズレた目で天井を見上げながら絶頂し続ける彼をじっと見つめる。いつも冷静で格好いい彼の香りはここには微塵も存在しない。白いシーツに浮いている乱れきった髪を優しく撫でてやるとそれだけで正直な彼の身体は震えていた。ジョロジョロと吐き出された熱が彼の腹に水溜りを作っていく。
白濁と潮でベトベトになった彼の身体を舌で舐め取ると、複雑な味がして俺は思わず顔を歪めた。うれしい。これが舘さんの味なんだ。俺だけが知ってる、舘さんの表情、体温、味、声、呼吸、鼓動、感触。ぜんぶ、俺だけのもの。
彼が何度も連続で果てすぎて意識を手放しかけているのにも気付かないまま俺は唇を重ねた。彼がこの美しい姿のまま永遠になってしまうくらい、長く、重たいキスをした。
目「……綺麗です、舘さん」
僅かにヒリつく首元と呆れるように笑った彼の表情が、色濃く焼き付いて離れずにいる。