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🖤「この後、よかったら2人で飲み直しませんか?」
メンバーとの打ち上げ。翌日が仕事のメンバーもあって、早々のお開きになった。
この日を待っていた俺は、おそらくまだ飲み足りないであろう男に耳打ちした。
♥️「いいねぇ。ちょうどまだ呑みたくて、目黒を誘おうかなって思ってた」
舘さんはにこりと笑って、快い返事をくれた。
スケジュールは共有してるから、俺がオフなのは把握していたのかな。
俺は俺で、舘さんのスケジュールはしっかり確認していた。
🖤「(もう少し待っていれば、舘さんから誘ってきてくれたのか…)」
少し悔やんだが、久しぶりに二人きりになれるのが嬉しくて、口元がだらしなく緩みそうになるのをぐっと堪え、笑顔を取り繕う。
🖤「じゃあ、店、予約しておきます」
♥️「よろしく」
心做しか、舘さんの顔がほころぶのを俺は見逃さなかった。
🖤「今日、舘さん絶好調じゃない」
♥️「そう?いつもと変わらないけど」
メンバーと別れて、行きつけの店に到着すると、まずは改めて…と、生ビールを二人で煽った。
季節外れの暑さと、移動中に少し汗ばんだせいか、冷えたビールが美味い。
ほぼ同時にジョッキが空になる。
この、息が合った感じが呑兵衛にはたまらなく嬉しい。
♥️「目黒くん、さすがー!笑」
🖤「“目黒くん”て笑」
タイミングよく運ばれてくる料理に舌鼓を打ちながら、他愛もない話をする。
俺の話をにこにこしながら、時には真剣な顔つきで、静かに相槌を打ちながら最後まで聞いてくれる。
舘さんは聞き上手で、相手の話に水を差したり否定したりしない。
絶妙な間合いで、的確なアドバイスやボケ(本人はボケてるつもりはないらしい)、ツッコミを入れてくる。
その、少し低く艶のある声は、心地よく耳の器官を通って頭の中心に滑り込む。
サシでこの人と話をしたら、きっと誰もがこの空間に酔いしれるだろう。
コージが舘さんのことを“共演者キラー”と言っていたのがよくわかる。
多方面から誘いが来ているのは、俺も承知していた。
🖤「…誰にも、取られたくないなぁ」
♥️「え?ごめん、聞こえなかった。何を取られたくないって?」
思わず漏らした言葉もしっかり拾ってくれる舘さんに、
🖤「舘さんのこと」
と、正直に言ってみれば、
♥️「ちょっと何言ってるかわからないな 笑」
🖤「笑サンドさんじゃん笑笑」
♥️「笑」
煙に巻かれてしまった。
日付が変わる頃、そろそろ出ようかと店を後にした。
夜風が火照った体をやんわりと包む。
♥️「夜は少し冷えるねぇ。今はそれが気持ちいいけど」
鼻唄を歌いながら、街灯の淡い光と、柔らかく吹き抜ける風を纏うその人は、とても美しくて…
♥️「目黒?どうしたの?口開いてる笑」
思わず見惚れて立ちつくしていた俺は、とても間抜けな顔をしていたのだろう。
振り向いた舘さんは、俺の顔を見るなり吹き出すように笑った。
その笑顔が可愛くて、つられて俺も笑ってしまった。
♥️「何?どうしたの?」
🖤「舘さんが、あんまりに綺麗で見惚れてただけです」
♥️「ふははっ何それ」
眉を下げてくしゃりと笑う。
あぁもう、ホント可愛い。
その笑顔が、たまらなく好き。
🖤「ねぇ舘さん。今日、舘さんお持ち帰りしていい?」
少し冗談ぽく問えば、
♥️「え、俺テイクアウトしちゃう?」
🖤「笑笑 はい。舘さんをテイクアウトさせてください笑」
そう言って手を差し出せば、頬に手を添え、わざとらしく照れた振りをしながら俺の手を取った。
♥️「俺でよければ…」
…なんて。この芝居がかった流れって、どこまで本気で捉えたらいいんだろ?
自分で振っておきながら、わからなくなる。
🖤「ちょ、舘さん?俺、本気で言ってますからね?」
♥️「…俺も、本気だよ?」
急に、ふわりと優しく微笑むから…
♥️「ぇ、目黒…っ」
衝動的に、俺よりその少し小さな体を引き寄せ、抱きしめた。
勢いに任せて抱きしめたせいか、舘さんは苦しそうに腕の中で身を捩る。
♥️「目黒、苦しいって笑」
🖤「ごめんね、もう少し…」
♥️「もう…。あのね、目黒の家で続きしたらいいんじゃないの?」
🖤「……え」
♥️「…持ち帰るでしょ?俺」
あぁ…
もう……
この人は、どこまで俺を沼らせるんだろう…