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トンプソン・コンテンダーから放たれた特殊弾は術式により位相空間を中和し、クジラに命中した。隕鉄(アダマンタイト)から削り出した弾頭は表皮を突き破り、大きなダメージを与えたようだ。あまりの苦痛からかクジラは大きく跳ねた。
ドズーン!!という地鳴りと共に地面に叩きつけられたクジラは位相空間を作り出せず、ジタバタと地面でのたうち回っている。
俺は右手のトンプソン・コンテンダーをKimber PRO CARRY Ⅱ に持ち替えて、装填している.45ACP弾に不動明王の真言で呪力を込める。
『ナウマクサンマンダ バサラ ダンカン!!』
表皮の薄そうな腹を狙って、一息で連射した。命中した箇所からは爆炎があがり、一気に視界は真っ赤になっていった。ガキッとスライドストップがかかり、マガジンに入っていた弾を全弾撃ち尽くしたが、クジラの表皮を貫通することはなく、大したダメージは与えられていないようだった。
『こんなの無理ゲーだろ!! グハッ!!』
毒づきながら、マガジンをリロードした瞬間、クジラの尾ビレで空中に跳ね上げられていた。
つづく