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「んんぅ……?ぁ…え?」
目が覚めると自分のベッドで寝たはずの僕は、気が付くと真っ黒な闇に包まれた空間に居た。
此処(ここ)は何処(どこ)なのだろうか…?
少なくとも自分の部屋では無い、しかもなんの気配も感じない。
まるで、何も無い空間のようだ。
おかしい……僕は床(?)に倒れていた身体を起こして周りを見渡す。
上下左右黒1色で何が何だかさっぱり分からない……夢、なのだろうか…?
試しに自分の頬(ほほ)をつねってみる。
うん、痛い…どうやら夢じゃないようだ。
何かの攻撃か?魔法かな……でも殺気とか敵意とか感じないしな……ただ単に隠しているだけかもしれないけど。
でも眠っていても人の気配とかは分かるはずだけどな……。
確か、前に何度か夜に仕事をしていて部屋の近くをメイドが通った時、そのメイドの気配とか寝ていても感じ取れたしな……。
てことは相手は僕以上の実力者…?
師匠レベルの人間が他にも居たのだろうか、僕が知らないだけで。
そんなことを考えていると、ふと、背後(はいご)に視線を感じた。
「ッ誰だ!?」
バッと直ぐに後ろを振り向く。
後ろに来るまで全く気配が分からなかった。
僕以上、いや、師匠以上の実力を持っているのが、気配だけで肌にひしひしと感じる……
戦うとなってしまえば絶対に勝てる気がしない、そんな相手だ。
今までこんな人には出会ったことが無い、一体どんな人物なのか……。
そう思い振りかえった先に居たのは____
「へー、僕の視線に気付けるんだね」
ドクロの顔が浮かんで居た。
「!?!?」
え、え!?
「な、なんでドクロの顔が浮かんでいるんだ……???」
「いや体とかちゃんとあるから」
思ったことが思わず口に出してしまったらドクロ(?)に突っ込まれてしまった。
え、喋れるんだ。
信じられない光景(こうけい)に呆然(ぼうぜん)としているとドクロ(?)が何かを思いついたような声をあげる。
「あっそうか、周りが黒いから同化(どうか)しているのか!ちょっと待ってね〜」
ドクロ(?)がそう言うと周りの背景の色が赤色になってドクロの姿が浮かび上がる。
いや、もう少し色のチョイスがあっただろう。何故赤だ。
正面を見ると、
頭からつま先まである真っ黒なマントを纏(まと)ってドクロの面を付けている(声からして)男が居て____地面から数センチ浮いて居る。
そして手で何かを掴む形にすると、彼の身長を優(ゆう)に越える大きな鎌(かま)が現れ、それを手に持つ。
その姿はまるで、まるで____
「死、神……」
死神のようだ。
「おー正解〜!僕は死を司る神、死神だよ」
………………え?
ほ、本物…?え、ほんとに本物…???
し、死神…え、僕死んだの…?
ただ部屋で寝ていただけなんだけど???え?
ていうか実力が師匠より上って確かにそうだな。
死神だもんな、そりゃ勝てないし、気配も分かりにくいわけだ。
殺意が無いのも気配に気付かず、この空間に連れてこられるわけだ。
てか人間じゃないから僕が分かるわけないしな。
何が死因(しいん)だったのだろうか?
……ていうか、死神かっこいい。
普通にかっこいい。
少し威圧感があってちょっぴり怖いけど物凄くかっこいい……!!!
まあ、そのことは置いといて、
「あの、僕…何が原因で死んだんですか…?」
「え?君死んでないよ?」
「へ?」
だったら尚更死神が居るのだろうか。
死んだら死神が死者の元に現れ、魂を導くと習ったのだが。