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羽海汐遠
10,772
#闇
ruruha
809
地下三階の隅にある、S級が隔離されている部屋の近くにやってきた。白髪の男がいる場所には緑色の壁に覆われた広いスペースが存在し、壁に貼り付けられた男は血まみれで惨たらしい殺し方をされていた。上半身と下半身の間を釘で打たれて、ちぎれてしまっている。
この光景を目撃したアルマは、そいつの体をまじまじとなんの戸惑いもなく眺めた。地面に落ちている両脚、何度も殴られて青あざだらけの顔などなど。
色々見ていたら、左の手の甲に蛇のタトゥーが入っていたのを見つけた。これは確かヒロキが殺したかった復讐相手だ。憎くなって、ストレートに殺したのだろう。恐らくハンスに脅されて、殺意が開花したに違いない。
アイツはアルマのことが好きで、他の男を排除する傾向がある。そう考えると、彼を脅したのかもしれない。復讐できてよかったなと心の中で呟いた。
しかし、これはただの始まりに過ぎない。なぜなら今後、二つの出来事が起きるだろうから。
少し前。目が覚めると、僕は釘とハンマーを握っていた。服は血まみれで、全て母親を殺した犯人のものだ。目の前にハンスはいなくなっており、逃げたのだろう。
復讐できたことを知り、心が少し晴れた。だが、何かが違う。たとえ復讐したとしてもムカムカは抑えられず、殺人を起こしたことでドキドキしている自分がいる。支配することの喜びを知ったからだ。これはまずい。たくさん殺したいと思ってしまう。まさに囚人のような考えに陥ってしまう。
そんなことを考えていたら、パチパチと拍手する音がした。人に見られてしまうとは予想外だ。
「君が殺したんですね。素晴らしい」
そう言ってきたのは、青い髪をした男。確かガルドを呼んでいた男だ。彼の仲間がなぜここに?
首を傾げていたら、彼はニコニコしたまま僕の手を取って前に進む。僕は凶器をその場に投げ捨てて、血生臭いその場から逃げた。
少し離れた場所へ進むと、行き止まりにたどり着く。彼は行き止まりの壁を背に腰を下ろし、とあることを話し始めた。切羽詰まった声だ。
「大変なんです! ガルドが『White little』に殺されそうなんです。助けてください」
「え?」
僕は首を傾げて、悩む。
White littleなんてものは聞いたことないし、ガルドは僕の敵だ。そんな彼に力など貸したくない。しかし否定すれば、彼の悲しそうな表情を見ることになる。額から汗がこぼれ落ちる。どうすればいいんだ?
「頼みます。彼らは白人以外を殺すんですよ。僕はアジアの血が混じってるから殺される」
「それならアルマに頼んだら? アイツ白人だし」
そう言って、僕はあることを思いつく。アルマにお願いして、仲直りさせるのはどうだろうか? いやいや、それかその組織にアルマを入れて気を取られている間に僕が他のやつを殺すとか!?
そんな物騒なことを考えてしまうのは、もはや救いようがない。でも他には何も思いつかなかった。
コメント
1件
読了!もうね、一気に引き込まれた…白髪の男の描写とか、生々しくて心臓がギュッてなったよ。でも何より、復讐果たした後のヒロキの「支配することの喜び」とか「もっと♡♡♡たい」って思考の変化がぞわぞわして良かった。青い髪の男の依頼も怪しすぎるし、次が気になって仕方ない!続き楽しみにしてるね🌙